[線維筋痛症および電磁過敏症におけるメタボロミクスおよび心理的特徴] med./bio.

Metabolomics and psychological features in fibromyalgia and electromagnetic sensitivity

掲載誌: Sci Rep 2020; 10: 20418

線維筋痛症(FM)および電磁過敏症(IEI-EMF)は慢性の全身性症候群で、主な症状は筋骨格系の強い広範囲にわたる痛みである。FMおよびIEI-EMFの発症につながる正確な原因は未だ不明である。電気・電磁機器への近接が症状のトリガとなる、かつ/またはそれを増幅するようであることから、この研究は、IEI-EMFおよび健康被験者対照群)の血漿中のメタボローム[代謝産物の総称]を、多変量統計分析と組み合わせたNMR[核磁気共鳴]分光法で調べた。全ての被験者について心理学的および身体的特徴を評価した。IEI-EMF群と対照群との間には、性格、統制の所在[心理学における概念で、自己解決型と社会依存型に分類される]、不安に関連した有意差は認められなかった。NRM分析で同定した代謝産物についての多変量統計分析の結果、IEI-EMF群では対照群と比較して、グリシンおよびピログルタミン酸のレベルが高く、2-ヒドロキシイソカプロン酸、コリングルタミン、およびイソロイシンのレベルが低かった。これらの代謝産物は、主に酸化ストレス防御、痛みのメカニズム、筋肉代謝に関連する複数の代謝経路に関与していることから、この結果は、IEI-EMFの人々における生理病理学的メカニズムの可能性をより明確にすべきであることを強調している、と著者らは結論付けている。

ばく露