[実験動物研究におけるがんに対する高周波電磁界の影響] basics

Effects of radiofrequency electromagnetic fields (RF EMF) on cancer in laboratory animal studies

掲載誌: Environ Int 2022; 161: 107106

高周波RF電磁界発がん性は、国際がん研究機関IARC)によって2011年に評価されている。ヒトおよび動物における限定的な証拠に基づき、RF電磁界は「ヒトに対して発がん性があるかもしれない(グループ2B)」に分類された。世界保健機関WHO)は2018年、RF専門家を対象とした調査に基づき、ヒトの健康への影響に関連するRF電磁界についての6つの主要なトピックスに、系統レビューのための優先度を与えた。この論文の著者らは、WHOの放射線プログラムの枠組みで、実験動物におけるがんに対するRF電磁界の影響を系統的に評価することを目的に、実験動物におけるがんのアウトカムに対するRF電磁界ばく露[の影響]について、実験動物研究(がんバイオアッセイ)の系統レビューのためのプロトコルを以下のように提示している。WHOの「ガイドライン策定のためのハンドブック」(2004)に適宜従う。「集団、ばく露、比較因子、アウトカム(PECO)」クライテリアに基づいて適格な研究を選択する。RF電磁界ばく露に対する動物がんバイオアッセイについてのオリジナルデータを報告している、査読付き論文および公的に入手可能な政府省庁からの報告を対象に含める。MEDLINE (PubMed)、Science Citation Index Expanded and Emerging Sources Citation Indes (Web of Science)、Scopus、およびEMF Portalのデータベース検索によって研究を同定する。言語または発行年による制限は適用しない。PRISMA 2020ガイドラインに従い、適格な研究の方法および結果を提示する。個々の研究の査定は、米国国家毒性プログラム/健康評価解釈室(NTP/OHAT)バイアスリスク(RoB)ツールを用いて、動物がんバイオアッセイにおけるRF電磁界ばく露の評価についての感度等を適宜評価する。実験動物におけるRF電磁界ばく露発がん性についての証拠の確かさの最終的な査定は、OHATのGRADEアプローチ[医療におけるエビデンスの質と推奨の強さをグレーディングする手法]を用いて適宜実施する。

ばく露