[浮遊粒子状物質および超低周波磁界への共ばく露の肺細胞毒性] med./bio.

この研究は、ヒト肺細胞（A549）に対する浮遊粒子状物質（PM）および超低周波（ELF）磁界への共ばく露の影響を調べた。総PM（TPM）、TPM中の二酸化ケイ素（SiO2）および金属含有量を、それぞれ米国立労働安全衛生研究所（NIOSH）の分析マニュアル-0500、-7602および-7302に従って評価した。900 mG［90 μT］のELF磁界ばく露を磁界測定に基づいてシミュレートした。毒性メカニズムを、マロンジアルデヒド（MDA）、グルタチオン比、遺伝子発現、DNA鎖切断を調べることで評価した。TPMサンプルの毒性指標としてのMDA産生、グルタチオン低減、DNA損傷を、半数致死量（LD50）の4 µg未満の用量で分析した。その結果、最も低用量（2 µg）のTPMばく露後、OGG1およびMTH1の遺伝子発現が上方制御された。また、ITPAはELF磁界の存在下で上方制御された。TPMとELF磁界への共ばく露は、TPM単独ばく露と比較して、酸化ストレスおよびDNA損傷レベルを低下させたが、非ばく露細胞より低くはなかった、と著者らは報告している。