[携帯電話放射のばく露限度および工学的解決策] comment

Cell Phone Radiation Exposure Limits and Engineering Solutions

掲載誌: Int J Environ Res Public Health 2023; 20 (7): 5398

このレビュー論文の著者らは、携帯電話放射ばく露限度について以下のように論じている。電気電子学会(IEEE)は1990年代、高周波放射(RFR)へのヒトのばく露リスク評価を以下の7つの方法で制限した。(1) 不適切に熱に焦点を当て、亜熱作用を無視している。(2) 非常に短時間で行われたばく露実験に依存している。(3) RFR信号の時間/振幅特性を見落としている。(4) 発がん性過敏症、およびRFRに関連するその他の健康状態を無視している。(5) 頭部から任意の距離で携帯電話比吸収率SAR)を測定している。(6) 健康とは無関係な体積/質量の尺度でSARばく露量を平均化している。(7) 携帯電話のSAR推定に非現実的なシミュレーションを使用している。この論文の著者らは、携帯電話のRFRばく露を軽減するために、低費用のソフトウェアとハードウェアの変更を以下のように提案している。(1) 身体と接触するRFR放射抑制する。(2) 頭部と身体で吸収される電力のパーセントを低減するアンテナパターンを用いる。(3) RFRの数、その持続時間、または積算ばく露量の自動化プロトコルベースの削減。これらの低費用の対策は、携帯電話の機能や通信品質を根本的に変えるものではない。健康への脅威はさまざまなレベルで科学的に文書化されており、業界でも認められているが、ほとんどの携帯電話メーカーにとって、ユーザーのRFRばく露の軽減は優先事項として考えられていない、と著者らは主張している。

ばく露

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