この研究は、妊娠中の携帯電話の高周波(RF)放射が、新生児の低酸素-虚血(HI)後の細胞外基質分解酵素2(MMP-2)およびMMP-9の発現に及ぼす影響を調べた。雌のWistarラットを無作為に、グループ1(妊娠中にRFにばく露しなかった雌ラット)およびグループ2(妊娠中にRFにばく露した雌ラット)に割り付けた。出生後、雄の仔ラットをa) 擬似ばく露群、b) ばく露群、c) 低酸素-虚血(HI)群、d) 低酸素-虚血/ばく露群の4群に割り付けた。HI誘導の7日後に神経行動学的検査を行い、その後、脳組織を摘出してMMP-2およびMMP-9の発現、炎症、酸化ストレス、梗塞体積、および脳浮腫を測定した。その結果、低酸素-虚血/ばく露群のMMP-9 mRNA発現は、擬似ばく露群、低酸素-虚血群、ばく露群よりも有意に高かった。低酸素-虚血群のMMP-2 mRNA発現レベルは、擬似ばく露群およびばく露群よりも有意に高かった。低酸素-虚血/ばく露群のTNF-αおよび総酸化物質容量レベルは、擬似ばく露群、低酸素-虚血群、ばく露群よりも有意に高かった。低酸素-虚血/ばく露群の総抗酸化物質容量レベルは、擬似ばく露群、低酸素-虚血群、ばく露群よりも有意に低かった。低酸素-虚血/ばく露群では、脳浮腫と梗塞体積が、低酸素-虚血群よりも有意に大きかった。低酸素-虚血/ばく露群では、感覚運動機能が低酸素-虚血群よりも有意に弱かった、と著者らは報告している。
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