この研究は、0.5-18.0 THzの範囲で1.0 W/m^2の入射シンクロトロン光源(SS)を用いて、25℃で 90分以上の連続照射を行い、大腸菌K12の代謝反応を調べた。その結果、THz照射群では、時間を合わせた対照群と比較して、照射後10、20、40分で細胞増殖が周期的に減少したが、その後生存細胞数は増加した。照射直後の処理細胞の生理学的状態は、直接プレートカウント法と電子顕微鏡を用いて評価した。走査型電子顕微鏡(SEM)と高解像度極低温透過型電子(cryo-TEM)顕微鏡写真の分析により、SS THzにばく露した大腸菌細胞の約20%に、変形した外膜、膜の乱れ、および細胞質の漏出が見られた。ばく露の18時間後の大腸菌細胞のプロテオーム変化は、リン脂質生合成プロセスや浸透圧ストレスなどの細胞膜調節に対する細胞応答と関連していた。これらの結果は、大腸菌細胞が、他の環境ストレス要因に耐えるために進化的に発達した、THz放射への長期ばく露に反応して基本的なメカニズムを速やかに活性化できることを強調している、と著者らは結論付けている。
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