研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[2日齢ニワトリヒナでのクロニジン誘発睡眠に対する超低周波磁界の影響] med./bio.

The influences of extremely low frequency magnetic fields on clonidine-induced sleep in 2-day-old chicks

掲載誌: J Auton Pharmacol 2001; 21 (4): 197-203

この研究は、超低周波磁界(ELF MF)が、中枢のアルファ(2)アドレナリン受容体作動薬クロニジンによって誘発される睡眠に影響を与えるか否かを調べた。2日齢のヒヨコを用いて、クロニジンの用量に関連した睡眠時間増加効果および睡眠開始時間短縮効果を事前に確認し、実験の用いる用量の参考にした。実験の結果、ヒヨコにMFのばく露磁束密度5、10、20 G;ばく露時間3、6、9、12時間)を与えると、MFの強度とばく露時間の一次関数として、クロニジン誘発による睡眠時間の有意な増加が見られた;クロニジンは脳内のノルアドレナリンまたはチロシンを減少させるが、MFばく露を受けた動物において、この減少効果に変化はなかった。次の実験として、ガンマアミノ酪酸A(GABA(A))/ベンゾジアゼピン(BZD)受容体システムが、中枢のアルファ(2)アドレナリン作動性システムの活性化により引き起こされるクロニジン誘発睡眠の短縮に関与しているか否かを判定するために、ヒヨコで、BZD受容体拮抗薬フルマゼニルとGABA(A)拮抗薬ビククリンクロニジン誘発睡眠への影響を調べた。その結果、MFによるクロニジン誘発睡眠時間の増加を、ビククリンおよびフルマゼニル抑制した;クロニジンまたはMFは、脳内のGABAレベルを変化させなかった;これらの知見から、2日齢のヒヨコの脳内のGABAまたはノルアドレナリンの濃度に関係なく、MFがGABA(A)およびBZD受容体システムの変化を介してクロニジン誘発睡眠を増加させる可能性が示唆された、と報告している。

研究目的(著者による)

2日齢のヒヨコのクロニジン誘発性の睡眠磁界変調させるかどうかを調べること。

詳細情報

クロニジン誘発性の睡眠に対する磁界の影響は、アルファ‐アドレナリン作動性受容体に関係しているかも知れない。アルファ‐アドレナリン作動性受容体中枢神経系でのノルアドレナリンシナプス前放出を阻害する。

2日齢のヒヨコにクロニジン(選択的アルファ‐アドレナリン作動性受容体作用薬)を投与し、ばく露した。加えて、クロニジン誘発性の睡眠にGABA/ベンゾジアゼピン受容体システムが関与しているかどうかを判定するため、クロニジン投与と磁界ばく露の有無の10分前に、それぞれの拮抗薬ビククリン(0.1mg/kg)またはフルマゼニル(0.5mg/kg)を注入した。

各群で8-10匹のヒヨコを用いた。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 60 Hz
ばく露時間: 3 h, 6 h, 9 h or 12 h

ばく露1

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 3 h, 6 h, 9 h or 12 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 2 pairs of vertically oriented Helmholtz coils each consisting of 3 coils in a wooden frame
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 0.54 mT effective value 測定値 - -
磁束密度 1 mT effective value 測定値 - -
磁束密度 2 mT effective value 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

クロニジンは、量に関連した睡眠時間の増加と入眠時間の減少を生じた。クロニジン誘発性の睡眠時間は、磁界ばく露の強度と時間と共に増加した。クロニジン誘発性の睡眠の入眠時間は磁界によって変化しなかった。

クロニジン磁界ばく露とは独立に、脳内のノルアドレナリンまたはチロシンを低下させ、アルファ-アドレナリン作用性受容体中枢神経系でのノルアドレナリンシナプス前放出を阻害することを確認した。

ビククリンフルマゼニルは、磁界によるクロニジン誘発性の睡眠時間の増加を阻害した。入眠時間はビククリンフルマゼニルでの前処理後の磁界によって変化しなかった。クロニジン磁界またはその両方の組合せは、脳内のGABAレベルを変化させなかった。

磁界クロニジン誘発性の睡眠時間を増加させた。これらの影響は、ノルアドレナリン及びGABAシステムの両方に関連しているかも知れない。

研究の種別:

研究助成

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