ヒトの電界知覚についての femu の論文

掲載日: 2021/05/19

femu の研究者らによる論文「直流および交流電界のヒトの知覚に影響力を及ぼす環境および外部要因の同定」が、学術誌 Bioelectromagnetics に掲載されました。ドイツにおけるエネルギー転換の一部として、直流(DC)電界を発生する高圧直流(HVDC)送電線が計画されています。ヒトのDC電界の知覚はこれまでほとんど研究されていなかったことから、この研究では、ヒトのDC電界、交流(AC)電界、ならびにDC電界とAC電界(ハイブリッド電界)への同時ばく露の知覚を調査することを目的としました。参加者をさまざまな電界強度にばく露し、ヒトの知覚に影響力を及ぼす環境要因および実験的要因を制御するため、高度に洗練されたばく露実験室を建設しました。DC電界またはAC電界に単独でばく露した場合よりも、ハイブリッド電界にばく露した場合の方が、知覚閾値は低くなりました。AC電界およびDC電界の知覚に異なる影響力を及ぼす環境要因として、相対湿度が同定されました。DC電界およびAC電界へのばく露下で惹起される皮膚の感覚には個人差があり、また身体のさまざまな部位によって異なりました。ヒトの電界知覚に影響力を及ぼす複数の環境要因および実験的要因が同定されたことにより、大規模研究に必須となる基礎的情報が提示されました。

この論文は、EMF-PortalPubMed および Bioelectromagnetics のウェブサイト で確認できます。