femu の研究者らによる論文「直流および交流電界のヒトの知覚に影響力を及ぼす環境および外部要因の同定」が、学術誌 Bioelectromagnetics に掲載されました。ドイツにおけるエネルギー転換の一部として、直流(DC)電界を発生する高圧直流(HVDC)送電線が計画されています。ヒトのDC電界の知覚はこれまでほとんど研究されていなかったことから、この研究では、ヒトのDC電界、交流(AC)電界、ならびにDC電界とAC電界(ハイブリッド電界)への同時ばく露の知覚を調査することを目的としました。参加者をさまざまな電界強度にばく露し、ヒトの知覚に影響力を及ぼす環境要因および実験的要因を制御するため、高度に洗練されたばく露実験室を建設しました。DC電界またはAC電界に単独でばく露した場合よりも、ハイブリッド電界にばく露した場合の方が、知覚閾値は低くなりました。AC電界およびDC電界の知覚に異なる影響力を及ぼす環境要因として、相対湿度が同定されました。DC電界およびAC電界へのばく露下で惹起される皮膚の感覚には個人差があり、また身体のさまざまな部位によって異なりました。ヒトの電界知覚に影響力を及ぼす複数の環境要因および実験的要因が同定されたことにより、大規模研究に必須となる基礎的情報が提示されました。
この論文は、EMF-Portal、PubMed および Bioelectromagnetics のウェブサイト で確認できます。
ドイツのマインツにあるヨハネス・グーテンベルク大学医療センターの医療生物統計学・疫学・情報学研究所と femu が実施したフィージビリティスタディ「超低周波磁界への職業的ばく露と筋萎縮性側索硬化症のリスク:オリジナルデータのプール分析のためのフィージビリティスタディの結果」が、学術誌 Bioelectromagnetics に掲載されました。従来のメタ分析では、超低周波(ELF)磁界への職業的ばく露に関連した筋萎縮性側索硬化症(ALS)のリスク上昇が示唆されていました。但し、これらの研究は方法論的に不均一であったことから、本研究では、入手可能なオリジナルデータのハーモナイズと再分析のため、これらの研究をプールすることの実施可能性を調査しました。その結果、このプール研究では、80%を超える検出力で、ALSとELF磁界への職業的ばく露について ≥1.14の相対リスクを検出することができました。よって、オリジナルデータをプールすることが推奨され、それにより、ALSの病因においてELF磁界をより良く理解することに寄与することができました。
この論文は、 Bioelectromagnetics のウェブサイトで確認できます。
femu による論文「静電界および静磁界による植込み型心臓血管電子機器の障害」が、専門誌 Expert Review of Medical Devices に掲載されました。この研究の目的は、静電界および静磁界による心臓インプラントの電磁障害(EMI)の閾値を決定することでした。文献検索の結果、静磁界による4つの障害のメカニズムが明らかになり、静電界については認められませんでした。静磁界内での動作に由来するEMIについての情報はほとんどなかったことから、閾値を得るために数値シミュレーションを実施しました。その結果、磁気安全スイッチ(MSS)が起動する0.8 mT未満では、動作に由来するEMIは生じてはならない、ということが示されました。著者らは、MSSの起動は静磁界に対して最も重要なメカニズムである、と結論付けています。
この論文は、EMF-Portal、PubMed および Expert Review of Medical Devices のウェブサイトで確認できます。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、2020~2024年の任期とそれ以降における、非電離放射線(NIR)のほとんどの周波数と波長を網羅する新たな作業計画を立ち上げました。今後の課題には、特に低周波および静磁界ガイドラインの改定、電磁界に関連する環境問題の分析が含まれます。
この作業計画は ICNIRPのウェブサイト で確認できます。
欧州電磁界フォーラム(EEMFF)の第1回フォーラム会議は2021年11月15~16日にドルトムント(ドイツ)の連邦労働安全衛生研究所(BAuA)で開催されることが改めて発表されました。
更なる情報は、公式ウェブサイトで確認できます。
生体電磁気学会(BEMS)と欧州生体電磁気学会(EBEA)の合同年会 "BioEM 2021" は2021年9月26日~10月1日にベルギーのヘントで開催されることが、 BioEM 2021のウェブサイト で正式に発表されました。更なる情報も同サイトにまもなく掲載される予定です。
femu と共著者らによる論文「1 MHz未満の周波数での接触電ドシメトリの計算モデル」が、専門誌 Medical & Biological Engineering & Computing に掲載されました。この論文の目的は、0 Hz - 1 MHzの周波数に対する接触電流の計算ドシメトリのための、拡張可能で適用可能な検証済みの数値身体モデルを開発することでした。数値身体モデル Duke を用いて、縦方向および横方向の経路に対し、7つの接触電極によって接触電流を誘導しました。それによって得られた誘導電界および電流を用いることで、個別の事故シナリオを評価するための各周波数および電流経路に対する身体のインピーダンスおよび心臓の電流係数の評価が可能になります。
このオープンアクセス論文は、EMF-Portal、PubMed および Medical & Biological Engineering & Computing のウェブサイト から入手可能です。
ドイツ連邦労働安全衛生研究所(BAuA)がホスト役として2020年11月23~24日にドルトムントで開催予定であった「第1回欧州電磁界フォーラム会議『電磁界指令についての7年間の経験』」は、新型コロナウィルス感染症の流行拡大のため、2021年10月末~11月初めに延期されました。具体的な日程が決まり次第、BAuAのウェブサイトで告知されます。
国際非電離放射線防護委員会が2021年1月に開催予定であった「第9回国際非電離放射線ワークショップ」は、新型コロナウィルス感染症の流行拡大のため、キャンセルが決定しました。
更なる情報は、ICNIRPのウェブサイトをご覧下さい。
生体電磁気学会(BEMS)と欧州生体電磁気学会(EBEA)の合同年会 "BioEM 2021" は、新型コロナウィルス感染症の流行拡大のため、予定地であったホノルル(米国ハワイ州)では開催されないことが、組織委員会のウェブサイトで発表されました。同年会は2021年6月13日からオンラインで開催予定です。アブストラクトの投稿締切は2021年2月12日で変更ありません。
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