この研究は、自殺行為と、その人の住宅での電力線由来の商用周波電磁環境との間の相関の有無を調べるため、英国のミッドランズにおいて調査を実施した。電界と磁界について別個に分析を実施した。対照群を、界の強度にしたがって十等分した。それによって決定された10段階のばく露レベルのいずれかに、自殺者群の各人を、その人の界の強度に応じて割り当てた。10段階のばく露レベルに割り当てられた自殺者群を対照群と比較した。電界または磁界が自殺行為と関係なければ、各ばく露レベルに入る自殺者群の住宅数は、対照群のものと同サイズになるはずであると仮定した。その結果、電力線由来の総電界および総磁界をクライテリアにした両方において、自殺者住宅群と対照者住宅群のパターンは有意に異なっていた;界の強度の上昇がより多くの自殺と関連しているのか、あるいはより少ない自殺と関連しているのかを決定することはできなかった;全体としては、電力線と自殺との相関が示されたが、この関連の特別の意味を判定するには更なるデータが必要である、と報告している。
電界と磁界について個別に分析を実施した。電力線以外の発生源からの平均的な環境ばく露は0.1V/m程度であった。ゆえに、閾値が0.1、0.5、1.0V/mの電力線による追加的なばく露について個別の分析を実施した。対照群のデータは、界の強度に応じて十等分した。各自殺者群の界の強度の範囲は対照データによって決定し、各群に分けられた自殺者の住所の数を対照データと比較した。電界または磁界が自殺行為と関係なければ、各群のサイズは同じになると仮定した。
タイプ | 値 |
---|---|
合計 | 651 |
評価可能 | 598 |
結果は、自殺者の住所は対照の住所と、電力線から生じる電界全体及び磁界全体へのばく露で有意に異なっていることを示した。界の強度の上昇がより多くの自殺と関連しているのか、あるいはより少ない自殺と関連しているのかを決定することはできなかった。全体像は、電力線と自殺との相関を示しているが、この関連の特徴を判定するには、更なるデータが必要である。
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