研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[超低周波電磁界ばく露はブタの動物モデルにおける受精結果に影響を及ぼす] med./bio.

Extremely low frequency electromagnetic field exposure affects fertilization outcome in swine animal model.

掲載誌: Theriogenology 2010; 73 (9): 1293-1305

この研究は、イノシシの精子に、50 Hzの超低周波電磁界(ELF-EMF)の急性ばく露(1時間)を与え、生殖能力への影響を評価した。まず、受精能を獲得させた精子における形態機能的完全性への影響を、磁束密度0から2 mTの範囲のインビトロばく露を与えて調べた。次に、精子が存在または非存在の卵管に、排卵の4時間前にインビボでELF-EMFばく露を行った、ばく露レベルは、インビトロ実験で決定された最小、TD(50)、最大の3レベルとした。初期胚発生の観点から精子に対するELF-EMFの影響を12時間後と6日後に評価した。その結果、インビトロ実験では、ELF-EMF > 0.5 mTばく露は、進行する先体損傷誘発し、その結果、透明帯刺激後に精子先体反応を起こす能力を損ない、体外受精の成績を低下させることが示された;これらの影響は0.75 mTで明白となり、1 mTでプラトーに達した;インビボ実験では、1 mTのELF-EMFには精子機能を損なう能力があり、受精率を有意に低下させることが示された;さらに、精子が存在しない卵管への0.75 mT以上のばく露の場合でも初期胚発生に悪影響を与える可能性が示された、と報告している。

研究目的(著者による)

イノシシの精子の50Hz超低周波電磁界への急性(1時間)ばく露が初期の受精結果に及ぼす影響を調べること。

詳細情報

最初にイン・ビトロ実験を実施し、イノシシの精子に対する強度が0-2mT(0.25mT刻み)の範囲の超低周波電磁界の急性(1時間)ばく露ドシメトリックな形態学的-機能的影響力を定義した。次いで、このイン・ビトロ条件下で同定された強度(毒性量の最小値vs.最大値vs.中央値[TD50])を用いて、イン・ビボ実験を実施し、精子あり(プロトコルA)または精子なし(プロトコルB:生殖能を獲得した精子ばく露終了時に挿入)で卵管超低周波電磁界ばく露し、受精の結果(12時間後)及び胚発生の初期段階の成功(6日後)を評価した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous 1 h
in vitro
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: continuous 1 h
in vivo

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous 1 h
Additional information in vitro
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 30 cm long solenoid with an inner diameter of 12.5 cm, constructed from 8 turns/cm of copper wire on a PVC cylinder; samples placed on a coronal Plexigls plane in the central area of the solenoid inside a humified incubator
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 0 mT minimum - - raised in steps of 0.25 mT
磁束密度 2 mT maximum - - -

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous 1 h
Additional information in vivo
Additional information experiment 1: EMF exposure after artifical insemination experiment 2: EMF before surgical insemination
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 11 cm long PVC plane, 4 cm wide and 1 cm thick was surrounded by 144 copper wire spires (0.5 mm diameter); one oviduct inserted into the coil
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 0 mT minimum - - raised in steps of 0.25 mT
磁束密度 2 mT maximum - - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

このデータは、イン・ビトロでの超低周波電磁界(>0.5mT)が進行性の先体損傷を生じ、透明帯刺激後の精子先体反応を損ね、体外受精の結果を低下させることを示している。これらの影響は0.75mT(22%が損傷)で明らかになり、1mT(30%が損傷)でプラトー(停滞期)に達した。

対照的に、精子超低周波電磁界ばく露(全ての強度)は、DNAの健全性には影響しなかった。

イン・ビボ条件下では、1mTの超低周波電磁界受精率を有意に低下させた。受精率の低下はばく露時に精子がない条件で見られ(プロトコルB:対照の95%に対して80%)、この結果は精子がある状態で卵管ばく露した場合により明確であった(プロトコルA:対照の80%に対して68%)。対照的に、多精子受精率はどちらのプロトコルでも影響されなかった。

加えて、精子がない状態での卵管ばく露(≥ 0.75 mT)は、初期胚発生に負の影響を及ぼすことができた(胚の開裂のスローダウンが見られた)。

結論として、予測性が高い動物モデルにおける初期の生殖結果に、超低周波電磁界がどのように悪影響を及ぼすか、またその際の強度が証明された。

研究の種別:

関連論文