研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[超低周波電磁界にばく露したマウス胚のDNA断片化の分析] med./bio.

Analysis of DNA fragmentation in mouse embryos exposed to an extremely low-frequency electromagnetic field.

掲載誌: Electromagn Biol Med 2011; 30 (4): 246-252

この研究は、超低周波電磁界(ELF-EMFばく露が、マウス胚盤胞細胞割球)におけるDNA断片化に影響するか否かを調べた。80匹の雌のNMRIマウスをランダムにそれぞれ40匹からなる2群に分けた。対照群は無ばく露とし、EMF群は、50Hz、0.5mTのEMFばく露を、1日4時間、週6日で2週間受けた。8日目のばく露が終了した後、両群のマウスに過剰排卵処置を行い、一晩交配させた。交配の約4日後(過剰排卵処置の102時間後)に、子宮角をフラッシングして、胚盤胞を採取した。妊娠マウスの数、フラッシングで得られた胚盤胞の数、胚盤胞内の割球の数および染色後のDNA断片化指数について両群のデータを統計的手法により比較した。その結果、フラッシングで得られた胚盤胞平均数は、対照群に比べ、EMF群で有意に少なかった;DNA断片化指数は、対照群に比べ、EMF群で有意に増加した;割球平均数と妊娠マウスの数に両群間での有意差はなかった;知見を総括すると、着床前段階でのEMFばく露が、胚盤胞の数を減らし、胚盤胞のDNA断片化を増加させることが示された、と報告している。

研究目的(著者による)

電磁界ばく露によって生じるかも知れない、マウス胚盤胞割球におけるDNA断片化への影響を調べること。

詳細情報

雌マウス80匹を40匹ずつ対照群及びばく露群に分けた。ばく露の8日後、両群の雌マウスを(ゴナドトロピン注射で)過排卵させ、一晩交尾させた。交尾の約4日後、子宮角を洗浄して胚盤胞を得た。対照群から50個、ばく露群から60個の胚盤胞を得た。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 4 h/day, 6 days/week for 2 weeks

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 4 h/day, 6 days/week for 2 weeks
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 pair of 30 cm x 30 cm square-shaped Helmholtz coils mounted in two frames; each coil with 1000 turns of copper wire; 27 cm x 21 cm x 14 cm cage with five animals placed on a platform between the coils; exposure system placed on a laboratory non-metallic table
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 0.5 mT - 校正 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

このデータは、ばく露群では対照群と比較して、胚盤胞平均数が有意に減少したことを示した。ばく露群では対照群と比較して、DNA断片化指数は有意に低下した。但し、ばく露群と対照群で、割球平均数、及び妊娠マウスの平均数に有意差はなかった。

この知見は、着床前段階の電磁界ばく露は、胚盤胞の数を減らし、胚盤胞のDNA断片化を増加させることで、雌マウスの生殖能力と胚発生に悪影響を及ぼし得ることを示している。

研究の種別:

研究助成

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