[弱い磁界が誘導するグルタミン酸の脱プロトン化:フーリエ変換型赤外分光‐減衰全反射法(FTIR-ATR)研究] med./bio.

Deprotonation of glutamic acid induced by weak magnetic field: An FTIR-ATR study

掲載誌: Bioelectromagnetics 2011; 32 (3): 218-225

【目的】ELF電磁界生化学反応に影響を与えることに関して、その物理的性質の大部分は未知のままにある。この研究では、ELF電磁界グルタミン酸溶液に及ぼす影響をフーリエ変換型赤外分光‐減衰全反射法(FTIR-ATR)を用いて調べた。【方法】ヘルムホルツコイルによって発生させた弱い磁界に試料を10、20、30分間ばく露させた後、分光計で分析した。【結果】等電点より低いpHの溶液では、ばく露後にカルボキシル基の脱プロトン化へのシフトの傾向が見られたのに対し、等電点より高いpHの溶液ではばく露後に残存アミノ基の脱プロトン化が見られた。その上、pH値が低い溶液ではアミンのδantisymバンドのシフトが検出された。このような影響はばく露後数分間継続した後、本来の構造が回復した。独立的な電磁界ばく露の後にそれぞれスペクトル変化が観察され、0-7 kHzの範囲で周波数を変化させた場合には同一の影響が見られた。【結論】他の研究者から提出されている共鳴周波数の存在仮説を今回の研究結果は支持しなかった。今回見られた影響の意外な特性は、変動が長い時間継続するという性質である。この性質は生物学的事象における短期的興奮では説明が困難である。

ばく露

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