研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[周波数、波形及びばく露時間との関連で見たDNA転位に対する超低周波磁界の影響] med./bio.

Effect of extremely low frequency magnetic field exposure on DNA transposition in relation to frequency, wave shape and exposure time

掲載誌: Int J Radiat Biol 2011; 87 (6): 601-608

この研究は、2種類の大腸菌モデルシステムを用いて、超低周波磁界(ELF-MFばく露が、トランスポゾン(Tn)移動に与える影響を調べた。2種類の大腸菌モデルは、(1)βガラクトシダーゼを発現できない細胞(LacZ(-)。ミニトランスポゾンTn10要素を有しており、その転移によりβガラクトシダーゼを発現する能力がある細胞(LacZ(+)に変わる。したがって、この細胞では、LacZ(+)クローンを分析することで転移活性を評価できる。(2)稔性プラスミド(F(+)および染色体上にTn5要素を持つ細胞。したがって、この細胞では、細菌接合アッセイにより転移活性を評価できる。ELF-MFばく露は、さまざまな周波数(20、50、75 Hz)の正弦波(SiMF)またはパルス方形波(PMF)の磁界で、2つのばく露時間(15分および90分)で実施された。その結果:ミニTn10とTn5の両方の転移は、擬似ばく露対照群に比べ、SiMFばく露群では減少し、PMF群では増加した;周波数およびばく露時間の違いによる有意差は見られなかった;総括すると、ELF-MFばく露転移活性に影響を与え、その影響は、少なくとも観察された範囲では、周波数とばく露時間ではなく、磁界波形にクリティカルに依存することが示された、と報告している。

研究目的(著者による)

トランスポゾンの可動性に対する超低周波磁界ばく露の影響を、適用した磁界ばく露時間、周波数及び波形との関連で調べること。

詳細情報

二つの異なる細菌 Escherichia coli の株を用いた。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 20–75 Hz
ばく露時間: continuous for 15 min or 90 min
ばく露2: 20–75 Hz
Modulation type: pulsed
ばく露時間: continuous for 15 min or 90 min

ばく露1

主たる特性
周波数 20–75 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 15 min or 90 min
Additional information 20, 50, 75 Hz
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 two pairs of double-wrapped Helmholtz coills with a diameter of 23 cm and 40 (20 + 20) turns, placed in an incubator with a constant temperature of 37° C; 10 cm high cylindrical exposure area with a diameter of 12 cm and a field homogeneity of 5% in the center of the coil system; samples placed in Petri dishes with 9 cm diameter in the center of the coil system where the field uniformity was within 1%
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT effective value 測定値 - -
参照 - - - - dB/dt = 0.66 T/s

ばく露2

主たる特性
周波数 20–75 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 15 min or 90 min
Additional information 20, 50, 75 Hz
Modulation
Modulation type pulsed
Rise time 1 ms
Duty cycle 50 %
Pulse type rectangular
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT effective value 測定値 - -
参照 - - - - dB/dt = 0.14 T/s

Reference articles

  • Del Re B et al. (2006): [様々な磁界信号にばく露したへの大腸菌細胞におけるDnaKとGroELの合成]

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

Tn10及びTn5の転位は共に、偽ばく露と比較して、正弦波磁界下で減少し、パルス矩形波磁界下では増加した。周波数及びばく露時間による有意差は見られなかった。
結論として、超低周波磁界ばく露転位活性に影響し、その影響は、少なくとも観察された範囲では、磁界波形に依存するが、周波数とばく露時間には依存しなかった。

研究の種別:

研究助成

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