研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[27.2MHzの無線周波電磁界にばく露された工場作業者における心電図の変化] epidem.

ECG changes in factory workers exposed to 27.2 MHz radiofrequency radiation.

掲載誌: Bioelectromagnetics 2013; 34 (4): 285-290

この研究は、製靴工場で機械から発せられる27.2MHzの無線周波RF電磁界ばく露された女性作業者225人(ばく露群)と、同じ工場でばく露されなかった100人(対照群)について、心電図(ECG)への影響を調べた疫学研究である。ばく露群の6分間の電界強度は64.0±25.2V/m(平均値±標準偏差)で、国際非電離放射線防護委員会ICNIRP)のガイドラインにおける職業ばく露に対する参考レベルの61V/mを超えていた;ばく露群と対照群では、洞性徐脈の速度に関して統計的有意差が認められた;心臓血管系疾患の既知のリスク因子(喫煙、年齢、飲酒の習慣、等)について検討したところ、ばく露の継続時間は、心電図の変化、洞性不整脈、洞性除脈に対する効果的な因子ではなかった;ばく露群と対照群心電図諸指標についての統計的な差は認められなかった、と報告している。

研究の目的(著者による)

製靴工場で無線周波装置を運転する女性作業者の心電図に対する27.2MHzの無線周波電磁界の影響を調査するため、中国において症例対照研究を実施した。

詳細情報

この製靴工場には80機の無線周波溶接装置があり、そのうち30機は8kV、残りは4kVで作動する。工場内の27の溶接装置で電界強度の測定を実施した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 対照群:非ばく露
集団 2 ばく露作業者: 3か月-2年
集団 3 ばく露作業者: > 2年

調査対象集団

症例集団

対照集団

調査規模

症例 対照
適格者 225 100
参加者 224 98
統計学的分析方法: (調整: )

結論(著者による)

女性作業者がばく露された6分間の電界強度は64.0±25.2V/m(平均±標準偏差)で、国際非電離放射線防護委員会ICNIRP)の職業ばく露に対する二乗平均参考レベルの61V/mを超えていた。女性作業者の平均ばく露期間は22.8±16.8か月(平均±標準偏差)であった。
対照群では18人(18.4%)の作業者の心電図が正常でなかった野に対し、ばく露群では57人(25.4%)であった;但し、この差は統計的に有意ではなかった。女性作業者で最も一般的に観察された変化は洞性不整脈であった(対照群で8.2%、ばく露群で13.8%)。

高周波電磁界へのばく露レベルは安定して高かったが、ばく露群と対照群で、心拍、QRS波の期間、またはQTcインターバルに統計的有意差は認められなかった。
著者らは、交絡因子を考慮した後、27.2MHzの無線周波放射への職業ばく露心電図の変化の原因ではない、と結論付けた。

研究助成

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