研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[カタツムリにおける超低周波磁界の光依存性及び非依存性の行動学的影響はパラメトリック共鳴メカニズムと一致する] med./bio.

Light-dependent and -independent behavioral effects of extremely low frequency magnetic fields in a land snail are consistent with a parametric resonance mechanism

掲載誌: Bioelectromagnetics 1997; 18 (3): 284-291

この研究は、先行研究で報告された「ELF磁界ばく露は、カタツムリ(Cepaea nemoralis)における内因性オピオイドペプチド(抗侵害受容作用(鎮痛)を媒介する)を低下させる」という効果への光の影響を調べた。特に、このような磁界の効果に、間接的な誘導電流メカニズムが関与するのか、パラメトリック共鳴メカニズム(PRM)が直接的に関与するのかを検討した。光の存在および不存在の条件下で磁界ばく露し、磁界は、Ca2 +のPRMに関して予測されている値にしたがい、一定の静磁界交流磁界(30,60および120Hz)の組合せとし、交流磁界振幅と方向を変えた。鎮痛は、内在性オピオイドエンケファリン)活性を増大させるエンケファリナーゼの阻害剤の注射により誘導された、その結果、光の不存在に比べ、存在下での磁界ばく露の方が、オピオイド誘発性の鎮痛を有意に大きく低下させることが示された;しかし、光の存在および非存在下での鎮痛の低下率にELF周波数依存性は見られなかった;したがって、光の存在および不存在の両方において、ELF磁界の効果は、誘導電流ではなく、PRMのような直接的な磁界検出メカニズムによって媒介されることが示された、と報告している。

研究目的(著者による)

カタツムリ Capaea nemoralis にけるオピオイド介在性無痛覚に対する超低周波磁界ばく露の光依存性行動学的影響を調査すること。
酵素エンケファリナーゼの選択的阻害剤であるSCH34826の投与は、エンケファリン活性の増加を生じ、熱刺激(ホットプレートで印加)に対する足のリフティング行動における応答待ち時間の強化を生じる。
publication 4768 参照。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 0–30 Hz
ばく露時間: 15 min
ばく露2: 0–60 Hz
ばく露時間: 15 min
ばく露3: 0–120 Hz
ばく露時間: 15 min

General information

Four groups of snails were used: sham light, sham dark, expoed light and exposed dark.

ばく露1

主たる特性
周波数 0–30 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 15 min
Additional information Sinusoidal signal was superimposed on the DC signal.
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 40 cm x 40 cm animal holder platform was positioned at the center of the x and y axis of the coils, 10 cm below the center of the z-coil.
Additional information Snails were exposed either in the presence or absense of light. In light conditions, snails were placed into translucent plastic containers made up of identical top and bottom halves (12 cm² x 5 cm high). In dark conditions, the top and bottom plastic containers were covered with black electric tape.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 39.1 µT - 測定値 - DC magnetic field.
磁束密度 70.5 µT peak 測定値 - time varying magetic field.

ばく露2

主たる特性
周波数 0–60 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 15 min
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 141 µT peak 測定値 - time varying magetic field.
磁束密度 78.1 µT - 測定値 - DC magnetic field.

ばく露3

主たる特性
周波数 0–120 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 15 min
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 282 µT peak 測定値 - time varying magetic field.
磁束密度 156.2 µT - 測定値 - DC magnetic field.

Reference articles

  • Prato FS et al. (1996): [カタツムリに対する磁界の影響はマグネタイト、誘導電流に依存していないというその行動上の証拠]

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露中

研究の主なアウトカム(著者による)

磁界ばく露オピオイド誘発性無痛覚の低減につながる。光への同時ばく露はこの影響を、暗中の磁界ばく露よりも有意に強めた。但し、無痛覚の低減の割合は、印加した磁界の周波数に対して独立であることが示された。後者の観察は、磁界を直接検知するメカニズムを示唆している。

研究の種別:

研究助成

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