研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[カタツムリの一酸化窒素活性に対する磁界の光依存性の影響] med./bio.

Light-dependent effects of magnetic fields on nitric oxide activation in the land snail

掲載誌: NeuroReport 1999; 10 (9): 1863-1867

この研究は、ELF磁界によるオピオイド鎮痛の減弱効果における光の影響について、カタツムリCepaea nemoralisを用いた実験で調べた。その結果、60 Hz磁界に短時間ばく露したカタツムリでは、その後生じるオピオイド誘発鎮痛レベルの一酸化窒素NO)前駆体L-アルギニンによる抑制効果が、光依存的に増強された;これは、磁界作用の光依存性および磁界作用の媒介としてのNOの関与を示唆している、と報告している。

研究目的(acc. to author and editor)

カタツムリ Cepaea nemoralis におけるオピオイド鎮痛が介在する行動学的変化に対する、超低周波(ELF)磁界の影響の光依存性を調査すること。

詳細情報

鎮痛には外因性(例:モルヒネ)あるいは内因性(例:エンケファリンエンドルフィン)のオピオイドが介在する。ELF磁界ばく露はこのオピオイドによる作用を低減し、光にはこれを調節する役割がある、と想定されている。この問題を調査するため、熱刺激に対するカタツムリの行動(即ち、ホットプレート上での足の持ち上げ反応)を明暗条件下で調べた。オピオイド鎮痛に関与する特定の生化学経路を詳細に調査した:1) L-アルギニンを含む一酸化窒素NO)/一酸化窒素合成酵素NOS)経路、2) 酵素エンケファリナーゼの特異的阻害剤であるSCH34826の利用。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 60 Hz
ばく露時間: 30 min

General information

Snails were injected with L-arginine , inactive enatinomer, D-arginine or saline vehicle and exposed to magnetic field either in the presence or absence of light.

ばく露1

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 30 min
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 snails were placed in the center of the coil
Additional information In the light condition (1.8 W/m²) a group of 10 snails was placed into translucent plastic containers made of identical top and bottom halves (12 cm², 5 cm high). For dark exposures the top and the bottom plastic containers were covered with black electrical tape. Once the snails were placed in the darkened containers, the two halves were taped togather.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 141 µT peak 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露中

研究の主なアウトカム(著者による)

本研究の結果は、ELF磁界の作用の全般的な光依存性を示唆している。更に、磁界によって生じる影響の介在には一酸化窒素NO)が関与しているようである。

研究の種別:

研究助成

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