研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[乳癌モデルにおける長期磁界ばく露の腫瘍共促進効果と磁束密度との間の線形関係] med./bio.

Linear relationship between flux density and tumor co-promoting effect of prolonged magnetic field exposure in a breast cancer model.

掲載誌: Cancer Lett 1995; 96 (2): 175-180

この研究は、雌ラット乳がんモデルにおける腫瘍増殖と50Hz磁界ばく露量(すなわち、磁束密度)との関係があるか否か、もしあるのであれば、その特徴を明らかにするための実験を行った。乳がんは、7,12-ジメチルベンズアントラセン(DMBA)によって誘導された。DMBA投与プロトコールは、第1日に、ラット当たり5mgを経口投与し、その後ラット当たりの総容量が20 mgになるまで、1週間間隔で投与した。このDMBA投与プロトコールにおいて、擬似ばく露対照群での乳がん発症率は、投与後3ヶ月以内で約50%であった。擬似ばく露対照群、0.3-1μT、10μT、50μTおよび100μTの4つの磁束密度ばく露群はそれぞれ、36-99匹のラットからなり、合計で666匹であった。磁界ばく露(または擬似ばく露)は、各磁束密度の50Hz磁界(または磁界発生無し)に、24時間/日、7日/週、初日のDMBA投与後から91日間継続した。ばく露期間終了後、剖検して乳がん病巣の数を検査した。その結果、剖検時点(すなわち、13週間の磁界ばく露後)における肉眼的観察では、乳がん発生率は、50μTばく露群(対照より25.5%上昇)および100μTばく露群(対照より50%上昇)で有意に高かった;乳がん発生率の上昇は、0.3-1μTばく露群では見られず、10μばく露群では10%(有意ではない)上昇した;磁束密度4レベルでの実験データの線形回帰分析では、磁束密度剖検時点の発症率の間に、非常に有意な線形関係が示された;その相関係数は0.9944であった(P <0.01)、と報告している。

研究目的(著者による)

50Hz磁界磁束密度とDMBAで誘発させたラット乳がん腫瘍増殖との間にあるかも知れない関連を調査すること。

詳細情報

乳腺腫瘍誘発させるため、発がん化学物質のDMBA(5mg)を経口投与した。投与量の合計が1匹当たり20mgまで3週間連続でDMBA投与を反復した。磁束密度は0.3-1µT、10µT、50µT、及び100 µTとした。磁界ばく露を91日間連続して実施した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
Modulation type: CW
ばく露時間: 24 h/day, 7 days/week, for 91 days
ばく露2: 50 Hz
Modulation type: CW
ばく露時間: 24 h/day, 7 days/week, for 91 days
ばく露3: 50 Hz
Modulation type: CW
ばく露時間: 24 h/day, 7 days/week, for 91 days
ばく露4: 50 Hz
Modulation type: CW
ばく露時間: 24 h/day, 7 days/week, for 91 days

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 24 h/day, 7 days/week, for 91 days
Additional information gradient field horizontal
Modulation
Modulation type CW
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • 詳細不明
  • described earlier
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 µT effective value - - -
磁束密度 0.3 µT effective value - - -

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 24 h/day, 7 days/week, for 91 days
Additional information horizontal
Modulation
Modulation type CW
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • 詳細不明
  • described earlier
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 10 µT effective value - - -

ばく露3

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 24 h/day, 7 days/week, for 91 days
Additional information horizontal
Modulation
Modulation type CW
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • 詳細不明
  • described earlier
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 50 µT effective value - - -

ばく露4

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 24 h/day, 7 days/week, for 91 days
Additional information horizontal
Modulation
Modulation type CW
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • 詳細不明
  • described earlier
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 100 µT effective value - - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

0.3-1µT及び10µTの磁束密度では、乳腺腫瘍発生率有意な増加は認められなかった。但し、50µT(対照に対して約25%)及び100µT(対照に対して約50%)では、肉眼で見える腫瘍発生率の統計的に有意な増加が認められた。データの線形回帰分析では、磁束密度腫瘍発生率の上昇との線形の関連が明らかになった。

研究の種別:

研究助成

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