研究のタイプ: 医学/生物学の研究

[GSM 1800 MHz携帯電話放射へのマウスの急性ばく露がトリガとなる海馬のリピドーム及びトランスクリプトームのプロファイル変化:探索的研究] med./bio.

Hippocampal lipidome and transcriptome profile alterations triggered by acute exposure of mice to GSM 1800 MHz mobile phone radiation: An exploratory study.

掲載誌: Brain Behav 2018; 8 (6): e01001

この研究は、成獣の雄のC57BL/6ラットをGSM 1800 MHz携帯電話放射に2時間ばく露平均電界強度4.3-17.5 V/m)または疑似ばく露(それぞれn = 8)し、6時間後に海馬のリピドーム[lipidome:細胞中の脂質の総体を指す呼称]及びトランスクリプトーム[transcriptome:一次中の一時転写産物の総体を指す呼称]のプロファイルを評価した。その結果、リン脂質脂肪酸残基の分析データから、4つの脂肪酸(16:0、16:1 (6c + 7c)、18:1 9c、エイコサペンタエン酸オメガ-3(EPA, 20:5 ω3))のレベル、ならびに、飽和脂肪酸(SFA)及び一価不飽和脂肪酸(MUFA)の合計が、ばく露群では有意に変化した(p < 0.05)。この変化は、ばく露後の組織リン脂質の膜リモデリング応答、SFA及びEPAの減少、MUFA残基の増加を示している。マイクロアレイデータの分析では、178個の遺伝子発現有意な変化(p < 0.05)が認められ、細胞周期、DNA複製及び修復、細胞死細胞シグナル伝達、神経系の発達及び機能、免疫系の応答、脂質代謝発がん等の重要な生物学的プロセスに関与する遺伝子へのインパクトが明らかになった。これらの結果は、携帯電話放射が、著者らによる先行研究で示された脳のプロテオーム[proteome:ある生物系におけるタンパク質の総体を指す呼称]の変化及び記憶障害を説明し得る、海馬のリピドーム及びトランスクリプトームの変化を生じる予備的な証拠を示すものである、と著者らは結論付けている。

ばく露