[電磁界ばく露によって生じる雄の生殖異常に対抗するスペルミンの防護的役割‐ラットでの実験調査] med./bio.

The protective role of spermine against male reproductive aberrations induced by exposure to electromagnetic field - An experimental investigation in the rat.

掲載誌: Toxicol Appl Pharmacol 2019; 370: 117-130

この研究は、900 MHzの無線周波RF電磁界への2時間/日、8週間のばく露が雄ラット生殖能力に及ぼす影響、ならびに、RFばく露による変化に対するスペルミンポリアミンの一種)の保護作用の可能性を調べた。その結果、RFばく露精子の数、生存能力及び運動性を有意に減少させ、精子奇形を増加させた。ばく露群のラットには、血清インヒビンB及びテストステロン有意な減少、ならびにアクチビンA、卵胞刺激ホルモン黄体形成ホルモン及びエストラジオールの濃度の上昇が認められた。精巣ステロイド産生急性調節タンパク質(StAR)、c-kit mRNA発現、及び重要なアンドロゲン性酵素である3β-及び17β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの精巣活性が、ばく露後に有意に弱まった。ばく露精巣脂質過酸化カタラーゼ及びグルタチオンペルオキシダーゼの活性の減少、核因子カッパB p65のトリガ、誘導一酸化窒素シンターゼ、シクロオキシゲナーゼ-2及びカスパーゼ-3の過剰発現を生じた。ばく露群のラットでは、コメット・アッセイのパラメータの増加により、精巣のDNA損傷が認められた。スペルミン投与(腹腔内、2.5 mg/kg/日、8週間)は、RFばく露による精子及びホルモンのプロファイル、StAR及びc-kit発現、ならびにアンドロゲン性酵素の活性の変化を防止した。スペルミンは、RFによる酸化的、炎症性、アポトーシス性及びDNAの攪乱を防いだ。精巣組織学的及び組織形態計測的分析では、全ての生化学的知見が支持された。RFばく露は、ステロイド産生及び精子形成の阻害によってラット精子及びホルモンのプロファイルを攪乱するが、スペルミンは少なくとも部分的には、抗酸化・抗炎症性・抗アポトーシス的機序を通じて、その影響から精巣を保護する、と著者らは結論付けている。

ばく露