研究のタイプ: レビュー/サーベイ論文

[動植物に対する非電離電磁界の影響その2:生物種は自然および人工の電磁界とどのように相互作用するか] review

Effects of non-ionizing electromagnetic fields on flora and fauna, Part 2 impacts: how species interact with natural and man-made EMF

掲載誌: Rev Environ Health 2022; 37 (3): 327-406

このレビュー論文の著者らは、動植物に対する非電離電磁界の影響について、以下のように論じている。環境中の非電離電磁界のレベルは過去50年間で急上昇し、農村部や僻地でも普遍的、連続的、生物学的に活性な環境汚染となっている。多くの動植物種は、その生理学および生息地が特徴的であることから、外因性の電磁界に敏感である。このことは、変動性が非常に高く、ほとんど目に見えず、多くの生物種の絶滅への寄与因子となり得る、時として局所的な、複雑な外因性反応を生じ得る。ヒト以外の動物磁気受容のメカニズムが探求されている。現在の低レベルの人工的な電磁界は、方向付けと移動、食物の発見、生殖、交尾、営巣、縄張りの維持と防衛、活力、寿命、生存そのものに対し、無数の悪影響と相互作用を生じ得ることが、全周波数、全分類群にまたがる多くの研究で示されている。コウモリ、シカ、クジラ、鰭脚類等の哺乳類、鳥類、昆虫、両生類、爬虫類、微生物、および多くの植物種で、多くの影響が観察されている。野生生物に外挿可能な動物モデルについての実験室研究では、細胞毒性および遺伝毒性作用が観察されている。通常ではない複数のシステムのメカニズムが、生命維持のための極めて重要な情報である地磁気に依存したヒト以外の動物種(水生環境中のものを含む)と関係している可能性がある。3部構成のレビュー論文の2つ目にあたる本稿には、動物に対する極めて低い強度の超低周波(ELF)および高周波RF)の両方からの影響についての、オンライン補遺の表が4つ含まれている。野生生物の喪失はしばしば目に見えず、転換点に至るまで文書化されない。今や、環境中の電磁界を新たな汚染と認識し、他の汚染物質と同様に電磁界を規制できるように、空気を「生息地」とする規則を規制当局が策定する時である。野生生物に対する、まだ存在しない、低レベル電磁界への長期的な慢性ばく露の基準を制定することが望ましく、環境法を厳格に施行することが望ましい。

ばく露

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