[1.8 GHz高周波電磁界へのばく露はシグナル振幅の関数としてヒトHEK293細胞における活性酸素種を変調させる] med./bio.

Exposure to 1.8 GHz radiofrequency field modulates ROS in human HEK293 cells as a function of signal amplitude

掲載誌: Commun Integr Biol 2022; 15 (1): 54-66

この研究は、通信用振幅範囲での1.8 GHz高周波RF電磁界培養ヒトHEK293細胞胎児細胞]における活性酸素種ROS)の形成を調べた。その結果、蛍光画像撮影法で検出したROS濃度は、15分間のばく露後に有意に上昇し、細胞核および細胞質ゾルの細胞内コンパートメントの両方に局在化された。定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)分析では、抗酸化酵素スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPX)、カタラーゼ(CAT))および酸化酵素ニコチンアミドアデニンヌクレオチドリン酸オキシダーゼ-2(Nox-2))の遺伝子発現の変化が示された。更に、先行研究で静磁界への応答性が同定されている複数の遺伝子が、RFによっても調節されることが示され、応答メカニズムにおける共通の特徴が示唆された。対照的に、RFの影響の多くでは、生物学的応答が振幅の関数として線形には生じないという、ホルミシスの証拠が認められた。代わりに、特定の信号振幅で測定可能な応答が生じない「ブラインド」スポットのある二相性用量反応曲線が生じた。細胞内ROSの変調は信号周波数および振幅に依存したRFばく露の直接的な結果である、と著者らは結論付けている。

ばく露