研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[分割線量の電離放射線と円偏波60Hz磁界にばく露されたC57BL/6マウスにおける造血器新生物] med./bio.

Hematopoietic neoplasia in C57BL/6 mice exposed to split-dose ionizing radiation and circularly polarized 60 Hz magnetic fields

掲載誌: Carcinogenesis 2000; 21 (7): 1379-1389

この研究は、マウスでの電離放射線誘発によるリンパ腫およびその他の造血腫瘍の発生に対する60 Hz円偏波磁界への慢性ばく露の影響を評価した。雌C57BL/6マウスは、2つのばく露条件(1.42 mTで18時間/日、0.13 µTの環境磁界で24時間/日))のどちらかの条件で生涯ばく露を受けた。ばく露の初日の開始時に、1710匹のマウスは、3つレベルの分割線量コバルト60ガンマ線処置(累積3.0、4.0または5.1Gy)のうちの1つを受けた。残りの570匹のマウスはガンマ線照射の擬似処置を受けた。10種類のリン組織切片について、組織病理学的に造血系新生物の評価を行った。最初に、Poly3法を用いて、磁界ばく露群と対照群でのリンパ腫発生率を比較した。次に、コックス比例ハザードモデルを用いて、新生物のタイプ別に、死亡および発症の発生率を分析した。その結果、ガンマ線処置により死亡率が増加し、ガンマ線処置マウスではすべての新生物が擬似処置マウスより早く観察された;しかし、造血系新生物の生涯発生率は、ガンマ線擬似処置群も含め、すべての実験群で似ていた;同じレベルのガンマ線処置を受けたマウスにおいて、磁界慢性ばく露は、死亡率に影響せず、造血系新生物の相対的発生率も変化させなかった(例外は、5.1 Gy処置および磁界ばく露群でのリンパ芽球性リンパ腫の相対的リスク低下(わずかに有意))、などの知見を報告している。

研究目的(著者による)

電離放射線誘発させた雌マウスのがん発生に対する磁界ばく露の影響を調査すること。

詳細情報

マウスを3つのレベルの電離放射線で処理した(線量の合計3、4、5.1Gy、毎週1/4の線量を適用)。ガンマ線照射の初日から磁界への慢性ばく露(1.42mT)を開始した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 60 Hz
ばく露時間: lifetime exposure, 18 h/day

ばく露1

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
偏波
  • circular
ばく露時間 lifetime exposure, 18 h/day
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1.42 mT - 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

死亡率磁界によって上昇しなかった。ばく露群と偽ばく露対照群造血新生物の相対発生率は変化しなかった。5.1Gyと磁界ばく露されたマウスで、リンパ芽球白血病相対リスクの僅かに有意な低下が認められた。

研究の種別:

研究助成

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