[ラットの脳での炎症反応および脱髄に寄与する可能性のある抗酸化状態に対する高周波ばく露の証拠] med./bio.

Evidences of the radiofrequency exposure on the antioxidant status, potentially contributing to the inflammatory response and demyelination in rat brain

掲載誌: Environ Toxicol Pharmacol 2022; 94: 103903

この研究は、ラット神経変性につながるマイクロ波放射の潜在的酸化可能性を示している。Wistarラットを2100 MHzのマイクロ波比吸収率SAR)0.453 W/kg、電力密度8.237 µW/m^2)に4時間/日、5日/週、3週間ばく露し、対照群と比較した。その結果、ばく露群では血清トリグリセリドおよびコレステロールのレベルが有意に上昇した。グルタチオン恒常性変化とそれに続く炎症反応の活性化によって酸化ストレスが観察され、ばく露群の炎症誘発性サイトカインおよび抗炎症サイトカインによって更に確認された。組織病理学的評価および電子顕微鏡観察では、ばく露群の脳での髄鞘形成パターンおよび細胞小器官有意な変化が確認された。2100 MHzのマイクロ波への慢性ばく露酸化ストレスを生じ、これが神経細胞損傷および脱髄につながり、神経情報伝達に影響し得る、と著者らは結論付けている。

ばく露