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蛍光灯

分類:
照明
同義語:
コンパクト蛍光灯, 省エネライト
説明:

蛍光灯の項には以下の2種類のランプが含まれる。一つはコンパクト蛍光灯(省エネ電球)、もう一つは蛍光管である。

一般に省エネ電球という用語は、白熱電球より効率の良い全ての電球を特徴づける用語である。しかし、この用語は正しくは、通常の白熱電球に類似したコンパクトな形状の蛍光灯であるコンパクト蛍光灯を指す。コンパクト蛍光灯および蛍光管の発光は、気体中の放電(水銀蒸気が多い)により生じる。照明のスイッチを入れると、まず安定器がランプの点火のために陰極を予熱する。圧力上昇、すなわち水銀の蒸発は、最初は陰極の予熱、続いては蒸気自体が温まることの2段階で起きる。このプロセスは時間を要する。コンパクト蛍光灯が瞬時には最大限の明るさに達しないのはこのためである。

現在、コンパクト蛍光灯は、本体に内蔵された電子式安定器で作動されている。電子式安定器はさまざまな電子部品で構成されており、主電源周波数より高い周波数で電球を作動させる。その基本周波数は40 kHz - 60 kHzの範囲である。これとは対照的に、従来型の安定器は50Hzで作動し、直列リアクトルからなるのみです。

技術的に見れば、蛍光管はコンパクト蛍光灯と同じように機能する。光の色は、充填ガスに何を選ぶかで決まる。例えば、ネオンガスを充填させると発光は橙-赤色になる。通称では、蛍光管はネオン管とも呼ばれる。しかしながら正確には、ネオンガス充填のもの、したがって橙-赤色の光を放射するものだけがネオン管という分類に当てはまる。

周波数範囲:
  • 50–60 Hz (従来型安定器の場合)
電磁界の種別:
電界および磁界

測定値(文献に拠る)

測定されている物理量 測定値 分類上の特徴 特記事項
電界強度 10.3–71.6 V/m (測定値) - 距離 30 cm (周波数範囲 9 kHz - 1 MHz) [1]
電界強度 60.37 V/m (測定値) - 測定点:オフィスの読書灯の横15cm(周波数47.5 kHz) [1]
電界強度 82 V/m (最大値, 測定値) - 球形電球 [2]
電界強度 88 V/m (最大値, 測定値) - キャンドル型電球 [2]
電界強度 96.6 V/m (最大値, 測定値) - 6種の省エネ電球での最大値;距離15 cm、周波数46 kHz [3]
電界強度 100 V/m (最大値, 測定値) - スパイラル型電球 [2]
電界強度 117.3 V/m (最大値, 測定値) - 6種の省エネ電球での最大値;距離5 cm、周波数50 kHz [3]
電界強度 339.7 V/m (測定値) - 測定点:オフィスの読書灯の下15cm(周波数47.5 kHz) [1]
電界強度 397.5 V/m (測定値) - 測定点:オフィスの天井灯の下15cm(周波数47.5 kHz) [1]
電流密度 0.47 mA/m² (最大値, 計算値) - 出力20 W 、最大水平成分 [1]
電流密度 1.11 mA/m² (計算値) - オフィス環境のシェード付き読書用ランプまでの距離 14.4 cm (周波数: 47.5 kHz) [1]
電流密度 1.58 mA/m² (計算値) - オフィス環境のシェード無し読書用ランプまでの距離 14.4 cm (周波数: 47.5 kHz) [1]
電流密度 1.9 mA/m² (計算値) - シェード無しスタンドランプまでの距離 11.8 cm (周波数: 47.5 kHz) [1]
電流密度 2.11 mA/m² (計算値) - シェード付きスタンドランプまでの距離 11.8 cm (周波数: 47.5 kHz) [1]
電流密度 5.38 mA/m² (計算値) - 測定点:オフィスの読書灯の下2cm(周波数47.5 kHz) [1]
電流密度 8.6 mA/m² (最大値, 測定値) - 出力20 Wでの最大垂直成分 [1]
電流密度 9.84 mA/m² (最大値) - 測定点:オフィスの天井灯の下2cm(周波数47.5 kHz) [1]
磁界強度 15–31 mA/m (測定値) - 距離 30 cm (周波数範囲 9 kHz - 1 MHz) [1]
磁界強度 16 mA/m–0.105 A/m (測定値) - 距離 15 cm (周波数範囲 : 9 kHz - 1 MHz) [1]
磁束密度 2–29 nT (測定値) - 動作周波数での測定値、距離30 cm [4]
磁束密度 0.01–2.651 µT (測定値) - 周波数50 Hz [4]
磁束密度 0.01 µT (測定値) - バラスト付き15 W電球までの距離 1 m [5]
磁束密度 0.025–0.03 µT (測定値) - 周波数50 Hz [4]
磁束密度 0.1 µT (測定値) - 距離 30 cm:バラスト付き15 Wの省エネ電球 [5]
磁束密度 0.301 µT (測定値) - 電球下15 cmでの総合磁束密度(周波数 50 Hz) [1]
磁束密度 0.362 µT (測定値) - 電球の下15 cmかつ側方15 cmでの総合磁束密度(周波数 50 Hz) [1]

参考文献

  1. Nadakuduti J et al. (2010): [省エネ電球からのEMばく露評価および可能な低減対策(最終報告書)]
  2. Bakos J et al. (2010): [コンパクト蛍光灯周辺での中間周波電界のスポット測定]
  3. Van Den Bossche M et al. (2015): [多様な装置の中間周波電磁界の現場でのばく露評価]
  4. Dürrenberger G et al. (2004): [省エネ電球からの電磁界]
  5. Neitzke HP et al. (2006): [EMFマニュアル:電磁界:発生源、リスク、防護]