研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[ベンゾジアゼピン系は超低周波磁界ばく露により誘発されるラットの痛覚過敏に関与する] med./bio.

Benzodiazepine system is involved in hyperalgesia in rats induced by the exposure to extremely low frequency magnetic fields.

掲載誌: Arch Pharm Res 2005; 28 (2): 238-242

この研究は、著者らによる先行研究の知見(超低周波磁界(ELF MF、60 Hz)は痛覚過敏を引き起こす可能性があり、その反応はベンゾジアゼピン系によって調節される可能性がある)をさらに確認するために、ラットにMFばく露ジアゼパムベンゾジアゼピン受容体作動薬)および/またはフルマゼニルベンゾジアゼピン受容体拮抗薬)投与を同時に実施し、その影響を調べた。ラット痛み閾値測定はホットプレートテストにより行った。その結果、MFまたはジアゼパム(0.5 µg、脳室内投与)の単独ばく露の場合、それぞれは痛覚過敏効果を誘発したが、その潜時は短縮した;これらの影響は、フルマゼニル(1.5 mg / kg、腹腔内投与)の前処理によって阻害された;MFとジアゼパムの同時ばく露の場合、潜時は減少傾向を示したが、統計的有意差はなかった;MFとジアゼパムの同時ばく露による痛覚過敏誘発も、フルマゼニルによって阻害された;しかし、GABA(A)拮抗薬であるビククリン(0.1 µg、脳室内投与)またはGABA(B)拮抗薬であるファクロフェン(10 µg、脳室内投与)の前処理は、MFの痛覚過敏効果の誘発を妨げなかった;これらの知見は、ベンゾジアゼピン系がMF誘発性の痛覚過敏に関与している可能性を示唆する、と報告している。

研究目的(著者による)

本研究の狙いは、磁界ベンゾジアゼピン‐GABA複合系との相互作用を明らかにすることであった。

詳細情報

先行研究(publication 11849)で著者らは、20ガウス磁界への単独ばく露が、(ホットプレート試験での)マウスにおける刺激反応の潜時有意な短縮、即ち痛覚閾値の上昇を生じることを見出した。これらの研究で、著者らは、磁界による痛覚過敏ベンゾジアゼピン受容体を介して生じると仮定した。

この磁界の影響を更に確認するため、ジアゼパムベンゾジアゼピン受容体作用薬)及び/またはフルマゼニルベンゾジアゼピン受容体拮抗薬)と磁界ばく露との組合せを用いた。GABA受容体拮抗薬についても調べた。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 60 Hz
ばく露時間: 1 h, 3 h and 6 h
ばく露2: 60 Hz
ばく露時間: 1 h, 3 h and 6 h
ばく露3: 60 Hz
ばく露時間: 1 h, 3 h and 6 h

ばく露1

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 1 h, 3 h and 6 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 500 µT unspecified 指定なし - -

ばく露2

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 1 h, 3 h and 6 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 mT unspecified 指定なし - -

ばく露3

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 1 h, 3 h and 6 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 2 mT unspecified 指定なし - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

痛み閾値検査では、磁界またはジアゼパムが、潜時の短縮を伴う痛覚過敏作用を生じた。これらの作用は、フルマゼニルの前処理によって阻害された。

ラット磁界ジアゼパムに同時にばく露した場合、潜時は統計的有意差なしに短縮する傾向があった。磁界ジアゼパムとの共ばく露による痛覚過敏誘導も、フルマゼニルによって阻害された。

但し、GABA受容体拮抗薬の前処理は、磁界痛覚過敏作用に拮抗しなかった。

これらのデータは、磁界による痛覚過敏にはベンゾジアゼピン系が関与しているかも知れないことを示唆している。

研究の種別:

研究助成

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