研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (observational study)

[電力作業者のサイクリン依存性キナーゼ4阻害遺伝子p18(INK4C)に対する超低周波電磁界の影響なし] med./bio.

Lack of effect of extremely low frequency electromagnetic fields on cyclin-dependent kinase 4 inhibitor gene p18(INK4C) in electric energy workers.

掲載誌: Arch Med Res 2005; 36 (2): 120-123

この研究は、長期にわたる超低周波磁界(ELF-MFばく露が、遺伝子p18(INK4C)の欠失/突然変異を原因とするヒトのがん発生のリスク因子であるか否かを調べた横断調査である。同じ地理的地域に住み、同様のライフスタイルを持つ30歳から40歳までの男性電気労働者(n =31:ELF-MFばく露群)および健康な男性(n =30:対照群)を対象に実施された。両群の各対象者のDNAの配列および高次構造を、ポリメラーゼ連鎖反応一本鎖高次構造多型法(PCR-SSCP)によって調べた。その結果、対照群との比較において、ELF-MFばく露群でのエクソン1のバンド移行は問題にならなかった;ただし、2人の電気労働者で、エクソン2のみが、対照群およびばく露群の他の対象者に比べ、移行が遅かった;このゆっくりした移行は、点突然変異または多型がp18(INK4C)遺伝子のこの領域に存在するかもしれないことを示唆するが、;マッチングなしの分析における相対リスクRR)は1.069(95 %信頼区間: 0.975-1.172)であった;これらの知見は、ELF-MFの長期ばく露がんリスクを有意に増加させないことを示す、と報告している。

研究目的(著者による)

長期的な超低周波電磁界ばく露が、遺伝子p18INK4Cの削除/突然変異によってヒトのがんについてのリスク要因となり得るかどうかを調べること。

詳細情報

超低周波電磁界新生物発生に干渉し得るメカニズムの一つは、がん関連遺伝子の削除/突然変異である。細胞増殖細胞周期を通じた整然とした進行に従い、それは異なるサイクリン及びサイクリン依存性キナーゼ阻害因子によって統治される。推定される腫瘍抑制遺伝子p18INK4Cは、細胞サイクリン制御において重要な役割を担う、サイクリンD-サイクリン依存性キナーゼ4阻害因子複合体の特定の阻害因子をエンコードしている。各種のヒトのがんでは、これが削除/突然変異されていることがわかっている。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50–60 Hz
ばく露時間: 8 h/day for past 10 to 20 years
-

General information

Occupational exposure

ばく露1

主たる特性
周波数 50–60 Hz
タイプ
  • electric field
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 8 h/day for past 10 to 20 years
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • 380 kV power substation
ばく露装置の詳細 The study subjects were electric workers working at a power substation. These subjects were living 200 m away from the substation.
Additional information Thje control subjects were non electric worker who were not residing close to a subtation.
パラメータ

No parameters are specified for this exposure.

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

検査した全ての被験者で、対照群と比較して、エオシン1のバンド移動は無関係であることがわかった。但し、2人の電気的作業者のエオシン2のみ、対照群及びその他の被験者に対して移動が緩慢であった。この緩慢な移動は、p18INK4C遺伝子のこの領域に、点突然変異または多型が存在するかも知れないことを示している。
データは、長期的な超低周波電磁界ばく露がんリスクを有意に高めないことを示唆している。

研究の種別:

研究助成

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