研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[低エネルギー電磁界は血管平滑筋細胞の増殖を促進する] med./bio.

Low-energy electromagnetic fields promote proliferation of vascular smooth muscle cells

掲載誌: Electromagn Biol Med 2008; 27 (1): 41-53

この研究は、ウシの冠状動脈およびマウスの大動脈から採取した平滑筋細胞(SMC)の増殖に対する低電力電磁界EMFばく露の影響を調べた。EMFは、周波数25、50、または100 Hzばく露時間5、15、または30分に設定された。擬似ばく露対照群を用意した。その結果、実験されたすべてのEMF周波数において、ばく露群では、擬似ばく露対照群と比較して、SMCの細胞数の有意な増加が見られた;この影響は、50 Hzで最も顕著に現れ、対照群に対する増加の比率は最大1.2倍であった;マウス大動脈のSMCにおいて、50 Hzばく露を連続して2回行った場合、細胞増殖は有意に増強され、1回のばく露の場合に比べて1.2倍になった;ウシのSMCで行った実験でも、細胞増殖有意な増加が示された、と報告している。

研究目的(著者による)

ウシ及びげっ歯類の血管平滑筋細胞ならびにヒトの内皮細胞の増殖に対する低エネルギー電磁界の影響を調査すること。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: 5, 15, 30 min
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: 5, 15, 30 min
  • I = 100 µA, 200 µA, 300 µA
ばく露3: 50 Hz
ばく露時間: 2 times 5, 15, 30 min

General information

for further information on the setup see also: Dertinger, H., Sontag,W., "Electromagnetic fields: mode of action." 1998 in: Holick, M.F., Junf, E.G., eds., "Biologic Effects of Light." Boston/London/Dordrecht: Kluwer Academic Press, pp. 281 - 286 Knedlitschek, G., Gottwald, E. Weibezahn, K.F., 1998, "Effects of interferential current in cellular systems.", in: Holick, M.F., Junf, E.G., eds., "Biologic Effects of Light." Boston/London/Dordrecht: Kluwer Academic Press, pp. 303 - 311

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 5, 15, 30 min
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 pair of Helmholtz coils with a diameter of 140 mm and 2 x 112 turns of copper wire each; distance between coils = 70 mm
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 36 µT - 測定値 - -

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • electric field
ばく露時間 5, 15, 30 min
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • platinum mesh electrodes
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
参照 - - - - I = 100 µA, 200 µA, 300 µA

ばく露3

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • electric field
  • magnetic field
ばく露時間 2 times 5, 15, 30 min
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
  • plus E2
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 36 µT - 測定値 - -
参照 - - 測定値 - I = 100 µA, 200 µA, 300 µA

Reference articles

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

調査した全ての電磁界周波数について、ウシ及びげっ歯類の平滑筋細胞の両方における細胞増殖有意な増加が認められた。この影響は50Hzで最も強かった。マウス大動脈平滑筋細胞の50Hz磁界への連続二重ばく露は、単回ばく露と比較して、細胞増殖を有意に増加させた。
これらの結果は、電磁界血管平滑筋細胞増殖を有意に増加させ得ることを示している。

研究の種別:

研究助成

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