[長期にわたる鉄過剰と低周波電磁界ばく露が若いラットの空間学習と記憶に及ぼす効果] med./bio.

Effects of prolonged iron overload and low frequency electromagnetic exposure on spatial learning and memory in the young rat

掲載誌: Neurobiol Learn Mem 2009; 92 (3): 345-355

低周波電磁界EMF)は、血液脳関門の鉄に対する透過性を変化させ、脳に影響を与えると示唆されてきた。未熟な血液脳関門のために、若い脳は殊に、電磁界ばく露に対し脆弱である可能性がある。ために、脳におけるEMF誘導鉄過剰による行動への神経毒性効果が、ヤングアダルトではそれだけ大きなものであろうとも言い得る。この研究の目的は、若いラットにおける低周波電磁界と鉄過剰の相互作用を詳しく調べることであった。実験1で我々は、鉄過剰が空間学習記憶に及ぼす効果をテストした。鉄処置は、関連性(モリス水迷路)と作業記憶課題(8方向放射迷路)における遂行に影響しなかった。対照的に、目標物探査課題における空間変化探知は障害された。これらの効果はセロトニン作動性代謝の変更と相関した。実験2においては、EMFばく露と鉄過剰の組み合わせがテストされた。実験1におけると同様、関連性および作業記憶課題においてラットは障害されなかったが、空間変化探知において緩やかに障害された。全体として、実験結果は鉄過剰が天然の空間記憶過程に及ぼす効果を示した。しかしながら、低周波電磁界ばく露は若いラットにおける鉄過剰の効果を強化しなかった。

ばく露

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