研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[雌のWistarラットの成長、性成熟及びIGF-1レベルに対する、出生前後の50Hz電界への長期ばく露の影響] med./bio.

The effect of the prenatal and post-natal long-term exposure to 50 Hz electric field on growth, pubertal development and IGF-1 levels in female Wistar rats.

掲載誌: Toxicol Ind Health 2009; 25 (7): 479-487

この研究は、ラットを用いた実験で、超低周波(ELF)電界(EF)への出生前および出生後のばく露が、成長および性成熟に与える影響を調べた。妊娠中のWistarラットを3群に割り当てた。それぞれの子孫から、出生前および後でのばく露群、出生後のばく露群、擬似ばく露群を作成するための3群である。出生前後ばく露群は、全妊娠期間中、50 Hz EF(10 kV / m)の24時間ばく露を受けた母ラットから出生した仔ラットから無作為抽出され、思春期(生後21日目)までばく露を継続された(n = 8)。出生後のばく露群は、妊娠中にEFばく露を受けなかった母ラットから出生した仔ラットから無作為抽出され、出生時から思春期(生後21日目)までばく露を受けた(n = 8)。擬似ばく露対照群は、同様の過程を擬似ばく露処置で過した雌の子孫で構成された(n = 8)。その結果、出生時体重および実験期間中の体重増加の平均は、出生後のばく露群、擬似ばく露群に比べ、出生前後ばく露群で有意に低くかった;性成熟期の体重には、3群間で差はなかった;膣開口および発情の平均年齢も、出生後のばく露群、擬似ばく露群に比べ、出生前後ばく露群で有意に高くなった;血清インスリン成長ホルモン-1(IGF-1)レベルも、他の2群に比べ、出生前後ばく露群で有意に低かった;出生後のばく露群と擬似ばく露群の間には、出生時体重、体重増加、膣開口および発情の平均年齢およびIGF-1レベルの差はなかった;3群間で性成熟期のFSH、LH、E2レベルに差はなかった、と報告している。

研究目的(著者による)

雌のWistarラットの成長、性成熟、IGF-1(インスリン成長ホルモン-1)のレベル、及び、性成熟に関連する幾つかの内分泌腺(視床下部下垂体及び生殖腺等)に対する、50Hz超低周波電界への出生前後の長期的な24時間のばく露の影響を調べること。

詳細情報

妊娠ラットを無作為に3群に分配した(各群n=8):1) 出生前ばく露群は妊娠中に24時間ばく露し、その後無作為抽出した雌の仔を性成熟まで連続的にばく露した;2) 出生後ばく露群は妊娠中はばく露しなかったが、無作為抽出した雌の仔を、出生前ばく露群と同じばく露量及び期間で出産から性成熟までばく露した;3) 偽ばく露

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: during pregnancy and further on until puberty (21 days)
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: from birth until puberty (21 days)

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • electric field
ばく露時間 during pregnancy and further on until puberty (21 days)
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • 0.5 m x 1.0 m stainless steel plates
ばく露装置の詳細 stainless steel plates placed upright on wooden stands 50 cm apart; 40 cm x 50 cm x 20 cm (wxlxh) plastic cages positioned between these plates
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
電界強度 10 kV/m spatial average 計算値 - -

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • electric field
ばく露時間 from birth until puberty (21 days)
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
電界強度 10 kV/m spatial average 計算値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

出生時の平均体重及び仔の体重増加は、出生前ばく露群(1)では出生後ばく露群(2)及び対照群(3)よりも有意に少なかった。3群の性成熟時の体重に差は見られなかった。開膣及び発情の平均齢は、出生前ばく露群(1)では出生後ばく露群(2)及び対照群(3)よりも有意に高かった。IGF-1レベルは、出生前ばく露群では他の2群よりも有意に低下した。
出生後ばく露群と対照群では、体重、体重増加、開膣及び発情期平均齢、ならびにIGF-1レベルに差はなかった。

性成熟時の卵胞刺激ホルモン、黄体ホルモン及びエストラジオールのレベルも、3群で差はなかった。組織学的検査では、ばく露群(出生前及び出生後)での視床下部下垂体及び卵巣における組織損傷が認められた。

著者らは、10kV/mの50Hz電界への性成熟までの24時間の出生前ばく露の早期開始は、雌のWistarラットにおける成長の抑制、性成熟の遅れ、IGF-1レベルの低下を生じると結論付けている。ばく露量とばく露期間が同じ電界への出生後ばく露は、より有害性が低いようであった。

研究の種別:

研究助成

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