[種子を磁界で前処理することによる大豆の発芽、成長及び光合成の増強] med./bio.

Enhancement of germination, growth, and photosynthesis in soybean by pre-treatment of seeds with magnetic field

掲載誌: Bioelectromagnetics 2011; 32 (6): 474-484

【目的と方法】大豆(Glycine max (L.) Merr.; 品種: JS-335)の種子に様々な磁界強度(0から300 mT、50 mT刻み)の静磁界ばく露を30、60、90分間行い、大豆種子に対する静磁界の影響を実験的に調べること。【結果】磁界による処理は、実験室条件下での種子の発芽関連パラメータ(水分摂取、発芽速度、幼苗の長さ、新鮮重量、乾燥重量)および生育力指標を改善した。未処理の対照に比べた改善の程度は、発芽速度で5-42%、幼苗の長さで4-73%、新鮮重量で9-53%、乾燥重量で5-16%、生育力指標IおよびIIでそれぞれ3-88%、4-27%であった。大部分発芽パラメータ上昇に他より高い効果を示した200 mT(60分間)および150 mT(60分間)での処理については、さらに野外実験条件下で、成長、葉の光合成効率、葉のタンパク質含量に対する磁界処理の影響を調べた。多様な成長パラメータの中、葉の面積および葉の新鮮重量は1ヶ月の苗で最も大きな増強(2倍以上)を示した。磁界による前処理が行われた苗での多相クロロフィルa蛍光(OJIP)の過渡現象は、J-I-P期でより高い蛍光を発した。前処理が行われた苗において、葉の全水溶性タンパク質地図(SDS-ポリアクリルアミドゲル)のリブロース-1, 5-ビスリン酸カルボキシラーゼ(ルビスコ)の大小のサブユニット(53KDaおよび14KDa)に対応するバンドの強度に増強が見られた。【結論】大豆の種まき前に磁界ばく露を与える処理に、発芽パラメータおよび大豆の生物量の蓄積を改善するために役立つ効果があることを報告する。

ばく露

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