研究のタイプ: 疫学研究

[思春期前および思春期層において推定される脳全体での無線周波電磁界ばく露量と認知機能との関連] epidem.

Association between estimated whole-brain radiofrequency electromagnetic fields dose and cognitive function in preadolescents and adolescents.

掲載誌: Int J Hyg Environ Health 2021; 231: 113659

この研究は、思春期前および思春期層において、改良型統合ばく露モデルを用いて推定した脳全体での無線周波RF電磁界ばく露量と、認知機能との関連を調べた。2つの人口集団ベースの出生コホート研究である、オランダの「アムステルダム生まれの子どもたちとその成長についての研究」(ABCD研究、思春期前のn = 1664)およびスペインの「子どもと環境プロジェクト」(思春期前のn = 1288、思春期層のn = 261)から抽出した、思春期前の9-11歳および思春期層の17-18歳において、横断的分析を実施した。携帯電話およびDECTコードレス電話での通話(電話通話)、通話以外での携帯電話使用、タブレット使用、ノートPC使用(スクリーン活動)、ならびに遠方界発生源を含む、複数のRF発生源について脳全体でのRFばく露量(mJ/kg/day)を推定した。また、脳全体でのRFばく露量を、パターンが異なるRFばく露につながるグループ毎(電話通話、スクリーン活動、遠方界)に個別に推定した。オランダおよびスペインの思春期前の子どもたちにおける非言語的知性、スペインの思春期層における情報処理速度、集中機能および認知の柔軟性、ならびに、スペインの思春期前および思春期層における作業記憶および言語の流暢さを、検証済みの神経認知試験で評価した。その結果、脳全体のRFばく露量の推定値は、オランダおよびスペインの思春期前の子どもで90.1 mJ/kg/day(四分位範囲(IQR) 42.7; 164.0)、スペインの思春期層で105.1 mJ/kg/day(IQR 51.0; 295.7)であった。全てのRF発生源からのばく露の合計、および電話通話からの脳全体でのRFばく露の高い推定値は、オランダおよびスペインの思春期前の子どもの非言語的知性の低いスコアと関連していた(100 mJ/kg/dayあたり-0.10ポイント、95% 信頼区間(CI)-0.19; -0.02)。但し、脳全体でのRFばく露量は、スペインの思春期前または思春期層のその他の認知機能アウトカムとは関連していなかった。横断的研究の性質、サンプルサイズが小さいこと、生物学的メカニズムが不明であることから、これらの結果が偶然による知見である、または逆因果関係であるという可能性を排除できず、脳のRFばく露認知機能についての縦断的研究が必要である、と著者らは結論付けている。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

ばく露

ばく露評価

調査対象集団

調査規模

タイプ
参加者 3,213
統計学的分析方法:

研究助成

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