研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (observational study)

[高圧送電線および変電所から生じるELF電磁界に慢性的にばく露された労働者におけるコルチゾール分泌パターンの評価] med./bio.

Assessment of cortisol secretory pattern in workers chronically exposed to ELF-EMF generated by high voltage transmission lines and substations

掲載誌: Environ Int 2022; 161: 107103

この研究は、超高圧(EHV)変電所の男性労働者14人(平均年齢38.0±0.9歳)におけるコルチゾール副腎皮質から分泌されるホルモンの一種、ストレスの指標]の分泌に対する超低周波(ELF:50 Hz磁界の影響を調べた。この労働者は変電所および高圧線の近傍の住居に住んでいて、ELF磁界に長期間(1-20年間)ばく露された。磁界強度はボランティアが装着したEmdexばく露量メーターを用いて記録した。1週間の幾何平均値は0.1-2.6 μTの範囲であった。20:00から翌朝8:00まで血液サンプルを毎時採取した。コルチゾール濃度および分泌パターンを、0.1-0.3 μTばく露群(n = 5)および> 0.3 μTばく露群(n = 9)、年齢でマッチングした非ばく露対照群(n = 15、ばく露レベルはばく露群の労働者の1/10)で比較した。その結果、コルチゾールの分泌パターンに対する磁界強度有意な影響が認められた。この研究は、ELF磁界への慢性ばく露血清コルチゾールレベルのピーク時間を変化させることを強く示唆しており、子ども、高齢者、がん患者等の高リスク集団におけるコルチゾールのかく乱の影響についての研究が必要である、と著者らは結論付けている。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for up to 20 years
  • 磁束密度: 0.1 µT minimum (weekly geometric mean (individual exposure))
  • 磁束密度: 2.6 µT maximum (weekly geometric mean (individual exposure))
  • 磁束密度: 0.72 µT mean (of 15 workers)
  • 磁束密度: 0.82 µT mean (arithmetic means of the residential exposure)
  • 磁束密度: 0.64 µT mean (arithmetic means of the daytime exposure)

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for up to 20 years
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • extra high voltage substations (occupational and residential exposure) and power lines (residential exposure)
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 0.1 µT minimum 測定値 - weekly geometric mean (individual exposure)
磁束密度 2.6 µT maximum 測定値 - weekly geometric mean (individual exposure)
磁束密度 0.72 µT mean 計算値 - of 15 workers
磁束密度 0.82 µT mean 計算値 - arithmetic means of the residential exposure
磁束密度 0.64 µT mean 計算値 - arithmetic means of the daytime exposure

Reference articles

  • Touitou Y et al. (2013): [健康な男性の免疫系及び血液学的パラメータに対する50 Hz磁界ばく露の長期的(最大20年)影響]

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露中

研究助成

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