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EEG/脳の活動性

(2016年4月時点の英文ウェブページの和訳です)

ヒトの脳は、さまざまな活動状態をとり得る複数の神経ネットワークで構成されています。脳の活動は、例えばEEG(脳電図)での電位変化で測定することができます。この測定は、脳の比較的安静な状態>(安静時EEG)、睡眠中(睡眠EEG)、おおび認知タスク遂行中に行われます。最後の場合には、いわゆる事象関連電位が記録されます。

携帯電話は頭部に接近して使用されるため、通話中に脳は身体の他の部位に比べ相対的に高い比吸収率SAR)のばく露を受けます(Hossmann et al. 2003, p.49)。
何人かの著者は、携帯電話放射する無線周波電磁界の一定量は頭蓋骨を通って吸収され脳に達する、という仮説を提出しています。これが、もしかしたら無線周波電磁界とヒトの大脳活動との間の生理学
的な相互作用へとつながるのかも知れないと考えられています(Valentini et al. 2007, p.1)。

移動体通信関連の無線周波電磁界の脳活動への影響は多くの研究で調査されています。脳活動に関する携帯電話関連の全ての実験研究の概観は、EMFポータル内の携帯電話に関する研究の概観でご覧になれます。それに加えて、睡眠EEGに対する携帯電話ばく露の影響は"睡眠"の>章にも記されています。さまざまな国際および国内の委員会が現存データを評価しました。それらの委員会は、脳活動への影響の証拠に関して見解が一致していませんが、人の健康への影響可能性に関してはもちろん一致しています。

国際レベルでは、世界保健機関WHO)が最近の短い声明(ファクトシート№193, 2014)において、無線周波電磁界による有害な健
康影響の証拠は一貫性がないと認めました。WHOのこのような評価を以下の委員会の全てが共有しています。

欧州レベルでは、欧州連合の新興・新規同定された健康リスクについての科学委員会(SCENIHR, 2015, p.126-127)が、全ての研究要約において、脳活動への小さな
影響を認めています。安静時EEGでは、主としてα波バンド活動上昇の報告はありますが、SCENIHRは一部の古い研究の質を批判しています(例えば、二重ブラインド研究デザインでないことなど)。SCENIHRは最近の研究の結果には部分的な矛盾や一貫性の欠如があると見なしています。睡眠EEGでは、SCENIHRはいくつかのEEGバンドおよび睡眠段階における変化を認めていますが、睡眠EEGへの影響は一貫してい
ると主張する専門家達(例えば、the スウェーデン放射線安全庁(SSM), 2016年, p.8)には同意していません。また、事象関連電位に関する影響に一貫性がないこともSCENIHRは認めています。SCENIHRは、一部の研究結果(e.g. Croft et al. 2010 およびVecchio et al. 2010)が年齢に関連した影響を示唆したことを指摘していますが、このような影響はまだ十分に研究されていません。

ドイツ放射線防護委員会(SSK, 2011, p.24 f)は、脳活動への影響に関してSCENIHRと同様の判断を示し、厳密な実験プロトコルを用いたさらなる研究の実施と年齢
関連の影響の調査を要求しています。これとは反対に、スイス連邦環境省(FOEN, 2014, p.22-23(ドイツ語))は、移動体通信ばく露によるEEG活動の変化に関する証拠は十分であると認めています。具>体的には、覚醒時のα波バンドの活動増加および睡眠時の12-15 Hzバンドの活動増加に関する証拠をFOENは認めています。

総括すれば、移動体通信関連の無線周波電磁界による脳活動への小さな影響はあるかも知れないが、重要な健康影響に関する証拠は十分ではない、と国際および国内の専門家委員会は見なしているとの結論
が導かれます。無線周波電磁界の影響に関するWHOからの新たな詳細にわたる見解は2016年に公表予定です(ファクトシート№193, 2014
)。