研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[50 Hz磁界によるラットの肝臓がんのプロモーション研究] med./bio.

A rat liver foci promotion study with 50-Hz magnetic fields

掲載誌: Environ Res 1993; 62 (2): 223-229

この研究は、磁界腫瘍促進効果の可能性を調べる実験を行なった。4つの磁束密度レベル(0.5 μT、5 μT、0.05 mT、および0.5 mT)で、一様な水平50Hz磁界への12週間のばく露を受けたラットにおいて、2つの肝臓病巣バイオアッセイを行った。磁界ばく露前に、ラットは、部分肝切除術およびジエチルニトロサミン投与を受けた。陽性対照として、フェノバルビタール(PB)を12週間投与した。 γ-グルタミルトランスペプチダーゼ(GGT)およびグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST-p)染色陽性の病巣の数、面積および容積を評価した。その結果、ばく露群の体重増加および相対肝重量は、対照群と比較して差はなかった;1回目の実験では、対照群と比較して、0.5 μTおよび0.05 mTのばく露群のGGT染色陽性病巣がわずかに増加したが、GST-p染色陽性病巣では変化がなかった;2回実施した実験のデータを一緒に分析すると、2つのタイプの病巣の数は、対照群と同じ範囲にあった、と報告している。

研究目的(著者による)

磁界ばく露ラット肝臓モデルにおいてイニシエーション事象または腫瘍の成長に影響を及ぼし得るかどうかを調査すること。

詳細情報

雄のラット肝臓の70%を切除した。24時間後、腫瘍イニシエータとしてジエチルニトロソアミン(DENA)30mg/kgを腹腔内注射した。1週後、変化した肝細胞の成長をプロモートするため、フェノバルビタールを投与した。

ラットには酵素ガンマグルタミルトランスペプチダーゼを生じない特別な餌を与えた。

細胞成長の変化の指標としての酵素ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ及びグルタチオンS-トランスフェラーゼの有無について、肝組織の切片を組織病理学的に検査した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
Modulation type: CW
ばく露時間: 19 h/day, for 12 weeks

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
偏波
  • linear
ばく露時間 19 h/day, for 12 weeks
Additional information horizontal
Modulation
Modulation type CW
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • copper coils sourrounding racks with animal cages; quadrupol design
チャンバの詳細 polycarbonate plastic cages in exposure rack
ばく露装置の詳細 equipment 114° to NS-axis
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
電界強度 10 V/m maximum 備考を参照のこと。 - induced
磁束密度 500 µT maximum - - -
磁束密度 50 µT - - - -
磁束密度 5 µT - - - -
磁束密度 0.5 µT minimum - - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

磁界ばく露された動物は非ばく露対照よりも肝臓の重量が重かった。
部分肝切除とその後のジエチルニトロソアミン処理は、上述の酵素発現によって示される前腫瘍性肝病変を生じた。
ばく露群と対照群肝臓の相対重量と体重増加に差は認められなかった。
磁界ばく露群の肝臓における組織化学的に染色した酵素の核の数は対照群の範囲内であった。

研究の種別:

研究助成

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