研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[携帯電話及びコードレス電話、血清トランスサイレチン及び血液‐脳脊髄液関門:横断的研究] epidem.

Mobile and cordless telephones, serum transthyretin and the blood-cerebrospinal fluid barrier: a cross-sectional study.

掲載誌: Environ Health 2009; 8 (1): 19-1-19-12

この横断調査は、血液脳脊髄液関門に対する携帯電話コードレス電話使用の影響を調べるために、1000人(男女各500人、年齢18-65歳)を対象に、無線電話使用に関する質問紙への回答と血液サンプルの提供を求めた。参加率は31.4%であった。血液脳脊髄液関門に影響があれば当然変化が起きると考えられる血清中トランスチレチン(TTR)濃度を指標とした(カットポイント0.31 g/lで高TTR群と参照群に二分した)。その結果、携帯電話とDECT電話を統合した使用開始からの期間(電話の種類毎の使用期間は考慮していない)と高TTRは統計的に有意に関連したこと、短期使用に関しては、採血当日の採血前の最後の電話使用と採血との間隔が短い人ほどTTR濃度が顕著に高いことが女性で見られたと報告している。

研究の目的(著者による)

携帯電話及びDECTコードレス電話の長期的な、及び/または短期的な使用がトランスサイレチン濃度の変化に関連しているかどうかを調査するため、スウェーデンにおいて横断的研究を実施した。

詳細情報

タンパク質トランスサイレチンを、血液脳脊髄液関門の変化のマーカーとした。publication 16510 と同じ研究人口を用いた。参加者には、アンケートへの回答と血液サンプルの提供を求めた。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
集団 1 携帯電話及びDECT電話使用
集団 2 携帯電話使用
集団 3 アナログ携帯電話使用
集団 4 デジタル携帯電話使用
集団 5 UMTS携帯電話使用
集団 6 DECT電話使用
集団 7 携帯電話及びDECT電話の累積使用時間
集団 8 携帯電話及びDECT電話の最初の使用からの年数
集団 9 採血日の使用分数、携帯電話
集団 10 採血日の使用分数、DECT
集団 11 最後の使用から採血までの分数、携帯電話及びDECT

調査対象集団

調査規模

タイプ
合計 1,000
参加者 314
参加率 31 %
統計学的分析方法: ( 調整: )

結論(著者による)

携帯電話及びDECT電話使用についての血清トランスサイレチンロジスティック回帰分析では、統計的に有意ではないオッズ比の上昇(OR 1.2、CI 0.6-2.4)が認められた。最初の使用からの期間についての線形回帰分析では、アナログ携帯電話または携帯電話とDECT電話の組合せを使用していた男性について有意な知見が認められたが、女性については認められなかった。短期的な使用に関しては、当日の最後の通話後に血液をより早く採取するほど、有意により高い血清トランスサイレチン濃度が女性に認められた。

研究の限界(著者による)

本研究の制約は、参加率の低さと、アンケートによるばく露評価である。血清トランスサイレチンは栄養状態のマーカーなので、栄養失調が結果に交絡した可能性がある。理想的には、脳脊髄液中のトランスサイレチンのレベルを分析すべきであるが、それは倫理上の理由により不可能である。

研究助成

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