この研究は、ラットの海馬のCA1領域における長期増強(LTP)に対する超低周波(ELF)磁界ばく露の影響を調べた。周波数(15、50、100 Hz)、強度(0.5、1、2 mT)、持続時間(10、20、40、60秒、5分間)が異なる磁界に海馬切片をばく露し、20分間のベースラインの信号記録、及び誘発フィールド興奮性シナプス後電位(fEPSP)を記録した。その結果、磁界ばく露後にばく露量及び持続時間に比例してLTP振幅が減少したことから、ELF磁界はばく露量及びばく露時間依存性のLTP抑制作用を有するかも知れないことが示唆された。ばく露量とばく露時間の複数の組合せの中で、15 Hz、2 mT、5分間の組合せが、LTPを最も抑制した。15 Hz、2 mTのELF磁界の下では、LTP振幅は5分間の時間枠の中でばく露時間に比例して減少した。これらの知見は、シナプス可塑性に対するELF磁界の潜在的影響を示すものであり、学習及び記憶に対する影響力のより良い理解につながるものである、と著者らは結論付けている。
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