研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[超低周波磁界に長期間ばく露されたラットにおける酸化窒素生成の変化] med./bio.

Alteration of nitric oxide production in rats exposed to a prolonged, extremely low-frequency magnetic field

掲載誌: Electromagn Biol Med 2007; 26 (2): 99-106

この研究は、ラットの血中の一酸化窒素NO)レベルに対する超低周波磁界(ELF-MFばく露の影響を調べた。27匹のオスのSprague-Dawleyラットを3群に分けた。2つのばく露群(どちらもn =10)と1つの擬似ばく露対照群(n = 7)である。ばく露群はそれぞれ、100 μTおよび500 μTのELF-MFへの1日2時間のばく露を10ヶ月間受けた。擬似ばく露対照群は、ELF以外は実験群と同様に扱われた。ELF-MFばく露および擬似ばく露の終了後、血清亜硝酸塩レベルを、グリース反応を用いて測定した。その結果、2つのレベルのELF-MFばく露群では、擬似ばく露対照群に比べ、亜硝酸塩レベルの有意な低下が観察された;これらのばく露レベルはICNIRPの一般公衆ばく露および職業ばく露限度値に相当するが、このレベルの長期ばく露がNO産生を減少させる可能性があることが示唆された、と報告している。

研究目的(著者による)

このイン・ビボ研究の目的は、超低周波磁界によって生じるかも知れない、ラットにおける一酸化窒素レベルに対する影響を調査することであった。

詳細情報

4月齢の雄のラット27匹を用いた。ICNIRPの磁界ばく露限度(100μT:公衆ばく露限度、500μT:職業ばく露限度)に基づき、動物を3つの異なる磁束密度ばく露した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: 2 h/day for 10 months
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: 2 h/day for 10 months

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 2 h/day for 10 months
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 pair of Helmholtz coils with a diameter of 25 cm with 225 turns of 1 mm insulated copper wire, 25 cm apart, in a 130 cm x 65 cm x 80 cm Faraday cage; rats in 17 cm x 17 cm x 25 cm methacrylate boxes between the coils
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 100 µT - 測定値 - -

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 2 h/day for 10 months
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 500 µT - 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

超低周波磁界ばく露群(100μT及び500μT)のラットでは偽ばく露ラットと比較して、10か月間のばく露後、亜硝酸塩レベルに有意な低減が認められた。

研究の種別:

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