研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[磁界ばく露は雌のSprague Dawleyラットの乳腺での細胞増殖を増加させるが、メラトニンレベルには影響しない] med./bio.

Magnetic field exposure increases cell proliferation but does not affect melatonin levels in the mammary gland of female Sprague Dawley rats.

掲載誌: Cancer Res 2002; 62 (5): 1356-1363

この研究は、著者らの先行研究(Thun-Battersby et al., Cancer Res, 59: 3627-3633, 1999)の知見(低磁束密度(100 μT)の50 Hz磁界MF)は、メスのSprague Dawleyラットの7,12-ジメチルベンズ(a)アントラセン(DMBA)誘発乳がんモデルで乳がんの発症と成長を促進した)に基づき提案された仮説「そのような磁界の影響には、乳房上皮増殖増加が関係する」を、増殖マーカーを用いて検証した。メスSDラットに、100 μTのMFを、2週間、ばく露または擬似ばく露した。乳房組織および隣接する皮膚上皮細胞の増殖を、ブロモデオキシウリジン(BrdUrd)標識法および核増殖関連タンパク質Ki-67標識法を用いて調べた。さらに、松果体中および乳房組織中のメラトニンレベルを、MFのばく露または擬似ばく露の後に測定した。また、MFばく露の影響との比較のために、腫瘍プロモータである12-O-テトラデカノイルホルボール-13-アセテート(TPA)を用いた追加実験も実施した。その結果、MFばく露は、乳腺上皮のBrdUrdおよびKi-67標識を有意に増強した;これは細胞増殖の著しい増加を示すものである;最も顕著な影響は、頭蓋、胸部(または頸部)乳房複合体で見られた;メラトニン仮説とは対照的に、松果体または乳腺メラトニン濃度にMFばく露の影響はなかった;TPAの局所投与は、皮膚上皮細胞、特に毛包においてBrdUrdおよびKi-67標識を増加させたが、乳房組織では増加させなかった;以上のデータは、MFばく露が乳房上皮増殖を増加させることを実証しており、先行研究で示されたMFばく露発がん性または腫瘍促進効果を説明する仮説が有望なことを示唆した、と報告している。

研究目的(著者による)

ラット乳腺上皮での細胞増殖に対する50Hz/100µTの磁界ばく露の影響を調べること。更に、松果腺及び乳房組織でのメラトニンレベルに生じる可能性のある変化を調べた。磁界ばく露の影響との比較のため、テトラデカノイルホルボールアセテート(TPA)処理による追加実験を用いた。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: 24 h/day, 7 days/week, for 2 weeks

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 24 h/day, 7 days/week, for 2 weeks
Additional information horizontally polarized EMF
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • 詳細不明
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 100 µT effective value 測定値 - -

Reference articles

  • Mevissen M et al. (1998): [50 Hz,100μT磁界内でのDMBA処理した雌ラットのばく露による乳腺腫瘍形成の加速:再現研究]
  • Baum A et al. (1995): [DMBAで誘導したラットの乳がん発がんにおける50 Hz、100μT磁界ばく露の影響についての組織病理学的研究]

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

磁界ばく露松果腺及び乳房組織でのメラトニンレベルを変化させなかった。但し、乳房組織での細胞増殖磁界ばく露によって有意に高められた(本研究で用いた標識技術で示された)。乳房組織ブロモデオキシウリジン及びKi-67標識はTPA処理によって影響されなかったが、皮膚上皮細胞、特に毛包では増加した。

研究の種別:

研究助成

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