研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[職業的な磁界ばく露と心筋梗塞の発生率] epidem.

Occupational Magnetic Field Exposure and Myocardial Infarction Incidence.

掲載誌: Epidemiology 2004; 15 (4): 403-408

健常者のボランティア研究で、極低周波磁界ばく露させたあと、心拍変動の減少が見られた。このような心拍変動の低下は、心臓血管系の病気に関係することから、EMFへのばく露は、心臓血管系の疾病リスクを高めることが想定されてきた。ある疫学研究では、磁界ばく露が高い環境の電力作業者での心臓血管系による死亡率の増加が示されているが、他の疫学研究ではこのような結果はない。本報告では、職業的な磁界ばく露は、大規模な母集団による心筋梗塞の症例-対照疫学研究で、考えられる交絡因子の詳細な情報とともに、心筋梗塞リスクが増加さえるかどうかの仮説を試した。SHEEP研究(ストックホルムの急性の心筋梗塞についての母集団に基づく症例-対照研究)のデータを使用し、職業的な磁界ばく露は、診断前1, 5, 10年の職種に基づいた。ばく露区分は2通りのアプローチにより、1つは、磁界ばく露が高いと想定される職種、2つ目は、職種―ばく露マトッリクスによる対象者の区分である。その結果、磁界ばく露が高いと区分された対象者での心筋梗塞リスク増加はなく、職種―ばく露マトッリックスで最も高いばく露カテゴリー、≧0.3μTでは調整された相対リスクは0.57(95%信頼区間=0.36-0.89)であった。以上のことから、職業的な磁界ばく露心筋梗塞リスクを増加させるという仮説は支持されなかった。

研究の目的(著者による)

職業的な磁界ばく露が急性心筋梗塞リスクを上昇させるかどうかを調査するため、スウェーデンにおいて症例対照研究を実施した。

詳細情報

磁界ばく露は、診断の1、5、及び10年前の職業に基づいていた。2つのアプローチを用いてばく露を分類した:高ばく露が推定される特定の職種、及び、職業‐ばく露マトリクスによる被験者の分類。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (相対リスク(RR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
集団 1 電気・電子工学者及び技術者
集団 2 鉄道機関士
集団 3 溶接技師
集団 4 設備、機械及び電力電気技師
集団 5 ラジオ及びTV組立技師及び修理技師
集団 6 電話設置技師及び修理技師
参照集団 7 磁界ばく露レベル < 0.20 µT
集団 8 磁界ばく露レベル 0.20 - < 0.30 µT
集団 9 磁界ばく露レベル ≥ 0.30 µT

調査対象集団

症例集団

対照集団

調査規模

症例 対照
適格者 1,485 2,088
参加者 695 1,133
統計学的分析方法: (調整: )

結論(著者による)

高い職業的磁界ばく露があると分類された被験者には心筋梗塞リスク上昇は認められなかった。

研究の限界(著者による)

関連する職業グループにおける急性心筋梗塞の女性の数が非常に少なかったため、本研究は男性に限定された。

研究助成

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