研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[AMラジオ送信装置からの無線周波放射ばく露と小児の白血病及び脳のがん] epidem.

Radio-frequency radiation exposure from AM radio transmitters and childhood leukemia and brain cancer.

掲載誌: Am J Epidemiol 2007; 166 (3): 270-279

15歳未満の白血病および脳腫瘍患者と、年齢、性別、診断年(1993-1999)を各患者とマッチさせた呼吸疾患を有する対照は、共に韓国医療保険データシステムを利用して韓国の14の病院から選出された。診断は韓国国立がん登録で確認された。住所は医療記録から取得した。地理情報システムを組み入れ、実測結果による補正を加えて新規開発した予測プログラムを使って、20kW以上の出力を持つ31の振幅変調(AM)ラジオ送信機からの無線周波電磁界(RFR)ばく露を予測した。全体で1928人の白血病患者、956人の脳腫瘍患者、3082人の対照が分析された。居住地域、社会経済的状態、地域人口密度を調整した条件付ロジスティック回帰分析によりがんリスクが推定された。AM無線送信機から20km以上離れた住居の小児に比較した、2km以内の住居の小児における白血病の全タイプについてのオッズ比は2.15(95%信頼区間(CI):1.00- 4.67) であった。すべてのAMラジオ送信機からの合計RFRばく露については、第四分位の小児に比較したリンパ性白血病オッズ比は、第二分位の小児で1.39(95%CI :1.04 - 1.86)、第三分位の小児で1.59(95%CI :1.19 - 2.11)であった。小児期の脳腫瘍はAM RFRと関連しなかった。

研究の目的(著者による)

振幅変調AM)送信への居住環境ばく露小児白血病及び脳のがんとの関連を調査するため、韓国において症例対照研究を実施した。

詳細情報

韓国における109基のAMラジオ送信装置のうち31基、及び144基のアンテナのうち49基を本研究に含めた。選択された送信装置は全て、出力が20kW以上であった。ばく露評価は、住居から最も近くのAMラジオ送信装置までの距離の評価、及び、全てのラジオ送信装置からの無線周波放射の合計の計算で構成された。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 最も近いAMラジオ送信装置までの距離:> 20 km
集団 2 最も近いAMラジオ送信装置までの距離:> 10 - 20 km
集団 3 最も近いAMラジオ送信装置までの距離:> 8 - 10 km
集団 4 最も近いAMラジオ送信装置までの距離:> 6 - 8 km
集団 5 最も近いAMラジオ送信装置までの距離:> 4 - 6 km
集団 6 最も近いAMラジオ送信装置までの距離:> 2 - 4 km
集団 7 最も近いAMラジオ送信装置までの距離:≤ 2 km
参照集団 8 無線周波放射ばく露の合計、第1四分位:< 518.41 mV/m
集団 9 無線周波放射ばく露の合計、第2四分位:518.41 -< 624.35 mV/m
集団 10 無線周波放射ばく露の合計、第3四分位:624.35 -< 916.96 mV/m
集団 11 無線周波放射ばく露の合計、第4四分位:≥ 916.96 mV/m

調査対象集団

症例集団

対照集団

調査規模

症例 対照
適格者 3,369 3,369
評価可能 2,884 3,082
その他:

白血病の子ども1928人、脳腫瘍の子ども956人

統計学的分析方法: (調整: )

結論(著者による)

最も近くのAMラジオ送信装置の2km以内に住む子どもには、全ての種類の白血病についての有意に高いリスクが認められた。但し、住居から最も近くのラジオ送信装置までの距離が短いほど白血病リスクが上昇する傾向は認められなかった。無線周波放射ばく露の合計が第2及び第3四分位にある子どもには、リンパ性白血病についての有意に高いリスクが認められた:この傾向は有意に正のボーダーラインであったが、線形の量‐反応関係ではなかった。骨髄白血病、脳のがん、及び乳児がん(1歳未満で診断)についての関連は認められなかった。

研究助成

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