研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[携帯電話使用への出生前及び出生後のばく露と子どもの行動学的問題] epidem.

Prenatal and postnatal exposure to cell phone use and behavioral problems in children

掲載誌: Epidemiology 2008; 19 (4): 523-529

【背景】WHOは無線周波電磁界の子供への影響の可能性について研究する必要があることを強調している。出産前後の携帯電話使用ばく露と低年齢の子供の行動上の問題との関連を調べた。【方法】妊娠初期の母親をデンマーク全国出産コーホートから集めた。2005-2006年に子供が77歳に達した時、母親に、その時点での子供の健康行動、および過去の携帯電話使用によるばく露に関する質問紙への記入を依頼した。子供の行動的問題は「強みと困難さ質問紙」を用いて評価させた。【結果】13159人の子供の母親が、妊娠中の自分の携帯電話使用と現在の子供の携帯電話使用に関する追跡調査の質問紙に記入した。交絡因子を調整した後、出産前後ともばく露があった子供において、行動的問題の高スコア群のオッズ比は1.80(95%信頼区間1.45-2.23)であった。【結論】出産前の携帯電話ばく露、それと多少程度は弱まるものの出産後の携帯電話ばく露は、就学時前後の感情および多動性などの行動的問題と関連が見られた。このような関連はおそらく因果的ではなく、今回測定しなかった交絡因子によるものであるかも知れない。

研究の目的(著者による)

妊娠中及び乳幼児期の携帯電話使用と子どもの行動学的問題との関連を、デンマークにおけるコホート研究で調査した。

詳細情報

7歳児の行動学的問題を、Strenghts and Difficulties Questionnaireを用いて評価した。出生前のばく露は、妊娠中の母親による携帯電話使用、出生後のばく露は、子どもによる携帯電話の現在の使用と定義した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (オッズ比(OR))

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 出生前のばく露なし
集団 2 出生前のばく露
参照集団 3 出生後のばく露なし
集団 4 出生後のばく露
参照集団 5 出生前及び出生後のばく露なし
集団 6 出生前及び出生後のばく露
参照集団 7 出生前のばく露、1日当たりの通話件数:0 - 1
集団 8 出生前のばく露、1日当たりの通話件数:2 - 3
集団 9 出生前のばく露、1日当たりの通話件数:≥ 4
参照集団 10 出生前のばく露、電源オンの時間のパーセンテージ:0
集団 11 出生前のばく露、電源オンの時間のパーセンテージ:< 50
集団 12 出生前のばく露、電源オンの時間のパーセンテージ:50 - 99
集団 13 出生前のばく露、電源オンの時間のパーセンテージ:100

調査対象集団

調査規模

タイプ
参加者 13,159
参加率 65 %
統計学的分析方法: (調整: )

結論(著者による)

約11%の子どもが出生前及び出生後に携帯電話ばく露され、約半数の子どもが出生前も出生後もばく露されなかった。約90%の子どもは行動学的問題を報告しなかった。
出生前及び出生後の携帯電話へのばく露は子どもの全体的な行動学的問題と関連していた(OR 1.80;CI 1.45-2.23)。著者らは、これらの結果は慎重に解釈すべきであると結論付けた。観察された関連は必ずしも因果関係ではなく、本研究で調査しなかった要因によるものかも知れない。

研究助成

この論文に対するコメント

関連論文