研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[子どもの出生前及び出生後の携帯電話ばく露と頭痛] epidem.

Prenatal and Postnatal Cell Phone Exposures and Headaches in Children.

掲載誌: Open Pediatr Med Journal 2012; 6: 46-52

この研究は、デンマーク全国規模で1996-2002年に登録された妊婦コホート(Danish National Birth Cohort)を利用し、そのコホートから出生した小児が7歳に達した時、母親に小児健康行動ばく露について質問紙調査した。携帯電話ばく露出生前のみ、出生後のみ、出生前と後)と小児偏頭痛および頭痛関連症状との関連について多変量調整モデルを用いて分析した。その結果、小児52680人のデータを分析した;ばく露があった小児の方が、ばく露がなかった小児に比べ、偏頭痛および頭痛関連症状オッズ比が高かった;出生前と後の両方でばく露があった小児でのオッズ比は、偏頭痛で1.30(95%CI:1.01-1.68)、頭痛関連症状で1.32(95%CI:1.23-1.40)であった、などを報告している。結論として、今回のような観察研究においては調整されない交絡因子および誤分類が潜在することを考慮すると、観察された関連はおそらく因果関係を示すものではないであろう;しかし、携帯電話の普及を考えれば、因果関係が存在する場合には大きな公衆衛生上のインパクトになるであろう、と述べている。

研究の目的(著者による)

妊娠中及び小児期早期の携帯電話使用と子どもの頭痛との関連を、デンマークにおけるコホート研究で調査した。

詳細情報

子どもが7歳になった時、子どものばく露(例:母親の妊娠中の携帯電話使用、子どもの7歳の時点での携帯電話使用)、生活様式、健康問題(例:偏頭痛または「頭痛、胃痛または病気の頻繁な訴え」)に焦点を絞ったアンケートへの回答を母親に求めた。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 ばく露なし
集団 2 出生前のばく露
集団 3 出生後のばく露
集団 4 出生前及び出生後のばく露

調査対象集団

調査規模

タイプ
合計 91,256
参加者 59,975
参加率 66 %
評価可能 52,680
統計学的分析方法: ( 調整: )

結論(著者による)

母親の報告によれば、52680人の子どものうち39%が出生前にばく露され、36%が7歳の時点で携帯電話を使用していた(出生後ばく露)が、週に1時間超使用していたのは1%未満であった。20%の子どもは出生前のみ、16%は出生後のみ、19%は出生前及び出生後の両方にばく露され、40%は携帯電話ばく露についての報告がなかった。
携帯電話ばく露された子どもは、ばく露されなかった子供と比較して、偏頭痛及び頭痛関連の症状リスクが上昇していた(出生前及び出生後の両方にばく露された子どもでは、偏頭痛についてのOR 1.30(CI 1.01-1.68);頭痛関連の症状についてのOR 1.32(CI 1.23-1.40))。

著者らは、この研究では携帯電話ばく露は子どもの頭痛と関連していたが、本研究のような観察研究における制御されていない交絡因子と誤分類に鑑みれば、この関連は因果関係ではないかも知れない、と結論付けた。

研究の限界(著者による)

ばく露及びアウトカムの評価における制約のため、この結果は慎重に解釈すべきである。TV視聴、ビデオゲームのプレイ、コンピュータ使用等の、可能性のある更なる交絡因子は、アンケートでカバーされなかった。

研究助成

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