研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[心臓血管死亡率と超低周波磁界へのばく露:スイスの鉄道作業者のコホート研究] epidem.

Cardiovascular mortality and exposure to extremely low frequency magnetic fields: a cohort study of Swiss railway workers.

掲載誌: Environ Health 2008; 7 (1): 35-1-35-7

【背景】16Hzの間欠性磁界へのばく露が、心拍変動を減少させることが観察され、そして、減少した心拍変動心臓血管系の死亡を予見する。我々は、様々な程度で、間欠性16.7Hz磁界ばく露された鉄道労働者における心臓血管系の原因による死亡率を調べた。【方法】我々は、スイスの1972年から2002年にかけての、20, 141人の鉄道労働従事者のコホートを調査した。その中には、高ばく露を受けていた列車運転手(生涯ばく露中央値は120.5μT-年数)、より少ないか僅かなばく露を受けていた操車場技師(42.1μT-年数)、列車の乗務員(13.3μT-年数)、駅長(5.7μT-年数)がいた。追跡した464, 129人年において、5, 413人の死亡が記録され、3, 594人の死亡が心臓血管系疾患に帰せられた。コックス比例ハザードモデルを用いてデータを分析した。【結果】心臓血管系の死亡全数に対し、駅長で比較したハザード率は、列車運転手では0.89(95%CI: 0.91, 1.08)、操車場技師において1.13(95%CI: 0.98, 1.30)、列車乗務員において1.09(95%CI: 1.00, 1.19)であった。死亡に関連した不整脈ハザード率は、それぞれ、1.04(95%CI: 0.68, 1.59), 0.58(95%CI: 0.24, 1.37 ), 10(95%CI: 0.87, 1.93)であり、急性心筋梗塞では、1.00(95%CI: 0.73, 1.36), 1.56(95%CI: 1.04, 2.32), 1.14(95%CI: 0.85, 1.53)であった。100μT-年数の累積ばく露あたりの死亡数に関連した不整脈ハザード率は、0.94(95%CI: 0.71, 1.24)であり、急性心筋梗塞に対しては、0.91 (95%CI: 0.75, 1.11)であった。【結論】本研究は、間欠性16.7Hz磁界への長期職業ばく露心臓血管系での死亡率との関連性に反する証拠を提供する。

研究の目的(著者による)

心臓血管死亡率と間欠的な16.7Hz磁界への職業ばく露を調査するため、スイスにおいてコホート研究を実施した。

詳細情報

磁界へのばく露は、各々の職業グループについての測定及びモデリングで決定した。各個人の累積ばく露は、就労期間にわたって毎年の職場での個別のばく露を積み上げることで得た。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ: (明記されていない)

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
集団 1 駅長:1980年の平均ばく露:0.7 µT
集団 2 車掌:1980年の平均ばく露:1.8 µT
集団 3 操車場技師:1980年の平均ばく露:5.5 µT
集団 4 鉄道運転士:1980年の平均ばく露:21.4 µT
集団 5 駅長:2000年の平均ばく露:1.0 µT
集団 6 車掌:2000年の平均ばく露:4.2 µT
集団 7 操車場技師:2000年の平均ばく露:6.0 µT
集団 8 鉄道運転士:2000年の平均ばく露:21.0 µT
集団 9 駅長:生涯の累積ばく露の中央値:5.7 µT-years
集団 10 車掌:生涯の累積ばく露の中央値:13.3 µT-years
集団 11 操車場技師:生涯の累積ばく露の中央値:42.1 µT-years
集団 12 鉄道運転士:生涯の累積ばく露の中央値:120.5 µT-years

調査対象集団

調査規模

タイプ
合計 20,141
その他:

464129人-年のフォローアップ

統計学的分析方法: ( 調整: )

結論(著者による)

このコホートでは5413人の死亡が観察され、そのうち3594人の死亡は心臓血管疾患が原因と考えられた。鉄道運転士、操車場技師、車掌または駅長についての個別分析では、心臓血管死亡率全体、及びサブグループについてのハザード比は上昇しなかった。累積ばく露については、ハザード比は上昇しなかった。
この結果は、16.7Hz磁界への長期ばく露心臓血管死亡率との関連に反する証拠を提示している。

研究助成

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