研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[マウス線維芽細胞でのUV誘発性ラジカル反応に対する50Hz磁界の影響に関する研究] med./bio.

A Study on the Effects of 50 Hz Magnetic Fields on UV-induced Radical Reactions in Murine Fibroblasts.

掲載誌: J Radiat Res 2010; 51 (5): 609-613

この研究は、紫外線UV)への生物学的反応の50Hz磁界MF:約100 μT)による変化を示唆した著者らの以前の知見は「ラジカルペアメカニズム」(磁界ラジカルペアの再結合率に影響を与えるメカニズム)により説明されるという仮説を検証した。実験では、UVによって誘発される細胞の酸化プロセスへの50 Hz MFの影響を調べた。マウスL929線維芽細胞に、1時間のUVばく露の最中またはその24時間前に、100または300 μTの50 Hz MFばく露を与えた。ばく露細胞からの超弱の化学発光光子放出)を非同時計数モードに設定したシンチレーションカウンタで測定することにより、酸化反応の減衰動力学を分析した。その結果、有意なMFの作用は見出されなかった;このことは、冒頭に述べられた仮説が支持されなかったことを示す、と報告している。

研究目的(著者による)

約100µTの50Hz磁界紫外線UV)に対する生物学的反応を変化させることを示した、先行研究(Markkanen他、2001Kumlin他、2002 及び Kumlin他、1998)の知見は、「ラジカルペアメカニズム」(即ち、ラジカルペアの再結合に対する磁界の影響)によって説明されるという仮説を検証すること。本研究では、UV(240J/m²)で誘導した細胞の酸化プロセスに対する50Hz磁界の影響を調査した。

詳細情報

細胞を1時間のUVばく露中、またはその24時間前に、磁界(100または300µT)にばく露した。非ばく露対照サンプル及びUVに単独ばく露した細胞培地もインキュベートした。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 1 h
simultaneous exposure to UV and EMF
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 24 h
UV exposure after EMF exposure

General information

Cells were exposed i) to EMF and UV for 1 h simultaneously ii) to EMF for 24 h before a 1 h UV exposure

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 1 h
Additional information simultaneous exposure to UV and EMF
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 UV lamp placed under the flasks; two coils, 340 mm x 460 mm placed 220 mm apart, put in an incubator
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1 µT minimum 測定値 - background MF
磁束密度 2 µT maximum 測定値 - background MF
磁束密度 48 µT minimum 測定値 - static geomagnetic field
磁束密度 54 µT maximum 測定値 - static geomagnetic field
磁束密度 100 µT - 測定値 - -
磁束密度 300 µT - 測定値 - -

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 24 h
Additional information UV exposure after EMF exposure
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 two coils, 340 mm x 460 mm placed 220 mm apart, put in an incubator
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 0.02 µT minimum 測定値 - during the 100 µT exposure
磁束密度 1.8 µT maximum 測定値 - during the 100 µT exposure
磁束密度 0.11 µT minimum 測定値 - during the 300 µT exposure
磁束密度 3 µT maximum 測定値 - during the 300 µT exposure
磁束密度 48 µT minimum 測定値 - static geomagnetic field
磁束密度 54 µT maximum 測定値 - static geomagnetic field
磁束密度 100 µT - 測定値 - -
磁束密度 300 µT - 測定値 - -

Reference articles

  • Markkanen A et al. (2001): [紫外線照射した出芽酵母の細胞周期動態及びコロニー形成能力に対する50Hz磁界の影響]

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

磁界有意な影響は見られなかった。このデータは、(ラジカルペアメカニズムによって予測されているような)ラジカルペアの再結合に対する100-300µTの磁界の影響が、細胞レベルでの酸化反応に全体的な変化を生じることで、UVに対する生物学的反応を変化させる、という仮説を支持していない。

研究の種別:

研究助成

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