研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[職業レベルの50Hz円偏波磁界にばく露されたヒト被験者における心拍及び心拍変動に関する研究] med./bio.

A study of heart rate and heart rate variability in human subjects exposed to occupational levels of 50 Hz circularly polarised magnetic fields

掲載誌: Med Eng Phys 1999; 21 (5): 361-369

心拍心拍変動(HRV)に対する電力周波数磁界の影響を成人のボランティアで研究した。ばく露は28μT (280mG) で50 Hz(円磁界)、100または150秒で、同じばく露時間の擬似ばく露に続き、または前で行った。磁界が連続に発生させた前の2件の研究で、2%ほどの僅かにしかも有意な心拍の低下が観察された。方形波電流、または15秒毎のオンオフによる磁界は、心拍に対する結果は一致していなかった。連続波によるHRV解析では、低帯域(0.02-0.15Hz)と高帯域(0.16-1.0Hz)の電力比が低下した。この比の低下は、呼吸を0.2Hz(12ビート/分)とコントロールした実験で有意であった。この実験では、ばく露の順番を擬似ばく露に引き続いて実際のばく露を行っている。低帯域のスペクトル密度は両方のばく露順番(On→Off, Off→On)で有意に低下し、高帯域のスペクトル密度はOn→Offのばく露時のみ上昇した。一貫性はなかったが、データからは職業的なばく露レベルへの短期ばく露は、心拍をコントロールするメカニズムに影響しているかもしれないことを示している。
(英文不記載)

研究目的(著者による)

成人ボランティアのグループの心拍及び心拍変動に対する電力周波数磁界の影響を調査すること。

詳細情報

本研究はパイロット研究とフォローアップ研究の2つのパートで実施した。パイロット研究の狙いは、先行研究(Graham C, Cohen HD, Cook MR, Phelps JW, Gerkovich MM, Fotopoulos SS. A double-blind evaluation of 60 Hz field effects on human performance. In: Anderson LE et al, editor. Interaction of Biological Systems with Static and ELF Electric and Magnetic Fields. CONF-841041. Springfield (VA):NTIS, 1987:471-86)のデータの独立した再現を提供することであった。Graham他は、ヒトボランティアについての実験で職業レベルの電磁界ばく露心拍の減速を生じることを見出した。

フォローアップ研究は、パイロット研究の結果を確認し、短期的(数分)の磁界ばく露によって心拍変動信号の周波数成分に生じるかも知れない更なる相互作用を調査するためにデザインされた。

ばく露と偽ばく露、または逆の順序での2つの期間にデータを収集した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 100 or 150 s
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: intermittent, 15 s on/15 s off for 100 or 150 s
ばく露3: 50 Hz
Modulation type: pulsed
ばく露時間: continuous for 100 or 150 s
ばく露4: 50 Hz
Modulation type: pulsed
ばく露時間: intermittent, 15 s on/15 s off for 100 or 150 s

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
偏波
  • circular
ばく露時間 continuous for 100 or 150 s
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
  • 2 sets of coils: open wooden rectangular frame 2x2x2m; 26, 11, 11, 26 turns (Merritt design)
Additional information One set of coils were directed in North-South direction and the others in East West.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 20 µT effective value 測定値 - -

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
偏波
  • circular
ばく露時間 intermittent, 15 s on/15 s off for 100 or 150 s
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 20 µT effective value 測定値 - -

ばく露3

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • rectangular
偏波
  • circular
ばく露時間 continuous for 100 or 150 s
Modulation
Modulation type pulsed
Rise time 1.6 ms
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 20 µT effective value 測定値 - -

ばく露4

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • rectangular
偏波
  • circular
ばく露時間 intermittent, 15 s on/15 s off for 100 or 150 s
Modulation
Modulation type pulsed
Rise time 1.6 ms
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 20 µT effective value 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露前
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

連続的な正弦波電流によって生じた磁界中での2つの個別の研究で、小さいが有意な心拍の減速が認められた。矩形波電流によって生じた磁界、または15秒間隔でオン・オフを切り替えた電流によって生じた磁界は、心拍に対して一貫性のない影響を及ぼした。

連続的な正弦波ばく露に関する心拍変動スペクトルの分析では、低周波帯(0.02-0.15Hz)と高周波帯(0.16-1.0Hz)のパワーの比の一貫した低減が認められた。この比の低減は、呼吸を0.2Hz(12回/分)に制御した、実ばく露後に偽ばく露(オン-->オフ)の順序で実施した実験で有意であった。低周波帯でのスペクトルパワーはどちらの順序でも有意に低減したが、高周波帯のパワーはオン-->オフの順序のみで有意に増加した。

若干の不一致はあるものの、これらの知見は、職業レベルの磁界への短期ばく露心拍制御メカニズムに対して影響力を及ぼすかも知れないことを示している。

研究の種別:

研究助成

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