研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (observational study)

[50 Hz磁界にばく露したヒトのECG変化] med./bio.

ECG changes in humans exposed to 50 Hz magnetic fields

掲載誌: J Occup Health 2005; 47 (5): 391-396

この研究は、磁界ばく露によるヒトの心臓機能への影響をボランティア実験で調べた。合計59人の被験者を3群に分け、各群はそれぞれ異なる磁界密度のばく露を受けた。その3つのばく露レベルは、職場の3つの場所(ばく露が低い、中程度、高い)で働く労働者のばく露推定に用いられる、その場所での12時間の時間加重平均TWA磁束密度計算値(それぞれ、0.067 μT、1.18μTおよび5.2μT)を用いた。安静時およびばく露時の心電図を記録し、5つのパラメータ(心拍数(HR)、P波およびQRS波の持続時間、PR間隔QT間隔)を導出した。QT間隔は、心拍数60で正規化した(QTc)。得られたデータを、まず多変量共分散分析し、次に共変量にばく露時間を用いた一元配置共分散分析(ANCOVA)を行った。その結果、QTc間隔のANCOVAのみが有意であった;この知見は、磁界の強度と応答の関係が非線形であることを示唆する;すなわち、調整された平均QTc値は、「低」グループと「高」グループで同程度であったが、「中」グループでは有意に減少した、と報告している。

研究目的(著者による)

1) 変電所から生じる磁界強度を測定すること。

2) この磁界データ及びばく露のパターンについて収集した追加データを用いて、変電所での被験者ばく露を推定すること。

3) ばく露レベルが心電図に影響し得る量‐反応パターンを示すかどうかを判定すること。

詳細情報

合計59人の被験者変電所作業者)を3つの独立した磁界強度グループに分け、比較した。労働衛生センター(職場ではない)で静止位置で心電図を記録した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: daily exposure of 12 h for at least 5 years
location 1
ばく露2: 50 Hz
ばく露時間: daily exposure of 12 h for at least 5 years
location 2
ばく露3: 50 Hz
ばく露時間: daily exposure of 12 h for at least 5 years
location 3

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 daily exposure of 12 h for at least 5 years
Additional information location 1
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • transformer substation at location 1 (low exposure)
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 0.067 µT average over time 推定値 - -

ばく露2

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 daily exposure of 12 h for at least 5 years
Additional information location 2
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • transformer substation at location 2 (medium exposure)
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1.18 µT average over time 推定値 - -

ばく露3

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 daily exposure of 12 h for at least 5 years
Additional information location 3
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • transformer substation at location 3 (high exposure)
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 5.2 µT average over time 推定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

データは、磁界強度と反応との関係が非線形であることを示唆している。調整後の平均QTc値は、「低」ばく露と「高」ばく露で同等であったが、「中」ばく露では有意に低かった。

この結果についての著者らの解釈は、この非線形効果は特定のばく露パターンのせいだったかも知れず、一般的には、時間加重平均のような単純な尺度を用いた電界及び磁界ばく露の特徴付けは不充分かも知れない、というものである。

研究の種別:

研究助成

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