研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[夜間の磁界ばく露:心拍変動および睡眠に対する性別特有の影響] med./bio.

Nocturnal magnetic field exposure: gender-specific effects on heart rate variability and sleep.

掲載誌: Clin Neurophysiol 2000; 111 (11): 1936-1941

この研究は、比較的高齢(40-60歳)の健康な男性(n = 22)および女性(n = 24)を被験者として、電力周波磁界(60 Hz)への制御されたばく露心拍変動(HRV)および睡眠ポリグラフ評価項目に変化を引き起こすか否かを、無作為化二重ブラインド、クロスオーバーデザイン用いて調べた。終夜ばく露実験(合成磁束密度28.3 μT)および終夜対照実験(無ばく露(≦ 0.2 μT))を、カウンタバランスをとって実施し、両実験で得られた評価項目を比較した。その結果、ばく露時の男性で、HRV周波数スペクトルのLFバンドのパワー低下が見られた(P < 0.04)(女性ではこの変化はなかった);ばく露時の女性で、レム睡眠持続時間減少(P = 0.03)、睡眠効率低下(P = 0.06)および総睡眠時間減少(P = 0.06)の強い傾向性が見られた(男性ではこの変化はなかった)、と報告している。今回の比較的高い年齢層での性別特異的な影響は、先行研究の若い男性と女性での結果を再現したと述べている。

研究目的(著者による)

制御された磁界ばく露が高齢(40-60歳)の被験者心拍変動及び睡眠を変化させるかどうかを判定すること。

詳細情報

健康な男性(22人)及び女性(24人)が、1週空けて2夜ずつ、検査室で23:00から07:00まで眠った。最初の2つのセッションは、心臓のエンドポイントに対する夜間ばく露の影響の評価に用いた。無作為抽出した半数の被験者を第1夜にばく露、第2夜に偽ばく露した;残りの被験者は逆の順序とした。1週間後、睡眠パラメータの検査のため、被験者は更に2夜を過ごした。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 60 Hz
ばく露時間: intermittent for 8 h (1 h on, 1 h off; during field on: field cycled between on and off in 15 s intervals)

ばく露1

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
偏波
  • circular
ばく露時間 intermittent for 8 h (1 h on, 1 h off; during field on: field cycled between on and off in 15 s intervals)
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
チャンバの詳細 each subject slept overnight in a sound-attenuated and air-conditioned exposure test room (a cube about 2.4 m on each side)
ばく露装置の詳細 Merrit-type horizontal and vertical concentric coil system surrounding the exposure chamber; one axis of the field was phase-shifted 90°
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 28.3 µT - - - -

Reference articles

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露前
  • ばく露中

研究の主なアウトカム(著者による)

心拍変動 に関しては、ばく露条件では偽ばく露条件と比較して、男性被験者に夜間全体を通じたパワースペクトルの低下(それぞれ低周波)が認められた。磁界依存性の影響は女性には認められなかった。

睡眠 に関しては、ばく露された女性では偽ばく露された女性と比較して、REM睡眠の時間の割合の低下が認められた。加えて、偽ばく露された女性と比較して、眠ったままの時間の合計、及び睡眠効率が低下した。磁界依存性の影響は男性には認められなかった。

著者らは、本研究で高齢のボランティアに認められた性別固有の影響は、より若い男女についての先行研究(Sastre、1998Sait、1999Graham、1996)の結果を再現するものである、と結論付けている。

研究の種別:

研究助成

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