研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[異なる期間の50 Hz磁界ばく露後のラットの乳腺におけるオルニチンデカルボキシラーゼ活性の変化] med./bio.

Alterations in ornithine decarboxylase activity in the rat mammary gland after different periods of 50 Hz magnetic field exposure

掲載誌: Bioelectromagnetics 1999; 20 (6): 338-346

<目的>ODCは細胞増殖するポリアミン生合成に関係する最も重要な酵素であり、がん細胞の促進過程にも重要な役割を演ずると考えられている。我々の研究室から以前に磁界がDMBA発症乳がん促進作用があること、6週間磁界ばく露でODCがほぼ2倍になることを報告した。乳がん促進にODCが関与していることが考えられるため、本実験では磁界ばく露期間を1日から13週まで変えて100μT、50HzのODCに及ぼす効果を検討する。 <対象・方法>雌SDラット、50-52日齢、1ケージ9匹、50Hz、100μT、水平磁界 24時間/日、7日/週、12時間:12時間=明:暗。ODC活性はBeaven et al(1978)の方法によった。1群6-18匹、1日、1週、2週、8週、13週でODCを測定(明確な記載はないがResultsから推定)。 <結果>図1にTPAを用いたpositive controlのデータを示す。図2に示すように1週間後には鼠径部乳腺のODCが有意に上昇、2-8週にかけて胸部乳腺のODCが有意に上昇。13週後には有意差がなくなった。再現性をみるため他のラット群を用いて行った実験結果が図3に示されている。2週後には胸部乳腺でODCが有意に上昇していたが8週では再現されなかった。13週では初回同様有意差はみられなかった。第3の実験で2週ばく露の影響をさらに検討した。図4に示すようにcranial thoracic乳腺でODCが有意に上昇した。 <結論>50Hz、100μT磁界ばく露でcranial thoracic乳腺のODCが2週間後に上昇することが確かめられた。この部は乳がん促進がみられる部位である。

研究目的(著者による)

ラット乳腺オルニチンデカルボキシラーゼODC)活性に対する異なる期間の50Hz磁界ばく露の影響を調査すること。更に、ラット乳腺器官の異なる乳腺錯体でODC活性を判定した。

詳細情報

ラットを複数の実験で最大13週間ばく露/偽ばく露した。ばく露の1日目及び2、8、13週後に検査を実施した。これらの時点で異なる数の動物を検査した(グループの範囲はは6-18匹)。約65日間のばく露後に、腫瘍プロモーターの化学物質であるTPAを用いて陽性対照を実施した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: 24 h/day, 7days/week, up to 13 weeks

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 24 h/day, 7days/week, up to 13 weeks
Additional information horizontal
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • 詳細不明
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 100 µT - 測定値 - -

Reference articles

  • Baum A et al. (1995): [DMBAで誘導したラットの乳がん発がんにおける50 Hz、100μT磁界ばく露の影響についての組織病理学的研究]

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
  • 乳房
調査の時期:
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

本研究の主な知見は、若齢の雌ラットの50Hz、100µT磁界への2週間のばく露はODCの再現可能な増加を生じるというものである。短期ばく露(1週間未満)または長期ばく露(8週間超)ではODC活性の変化は認められなかった。

更に、2週間のばく露後に認められたODC活性の増加は、主に胸部、特に乳腺のcranial thoracic部分で見られた。

研究の種別:

研究助成

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