研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[超低周波磁界ばく露はマウスC3H10T1/2細胞におけるエックス線誘導性の形質転換を抑制する] med./bio.

Exposure to extremely low frequency magnetic fields suppresses x-ray-induced transformation in mouse C3H10T1/2 cells

掲載誌: Biochem Biophys Res Commun 2000; 271 (2): 323-327

この研究は、培養細胞への超低周波磁界(ELFMF)ばく露装置を設計、製造し、マウスのC3H10T1/2 clone8細胞の形質転換に対するELFMFの影響を調べた。形質転換病巣のタイプIIおよびタイプIIIを別々に形質転換体として数えた。実験は、ELFMF単独ばく露、および事前のX線(3 Gyばく露後にELFMFばく露の2通りを実施した。ELFMFは、真のばく露擬似ばく露を行い、ばく露レベルは5、50、400 mT、ばく露時間は24時間とした。その結果、擬似ばく露対照群ばく露群(5、50、400 mT)の間に、形質転換の有意差は観察されなかった;X線+ELFMF群における形質転換頻度は、X線単独群と比較して減少していた;培地に12-O-テトラ - デカノイルホルボール-13-アセテート(TPA)を含ませた場合、X線単独群での形質転換頻度はより高くなった;X線+ELFMF群では、TPAを含有する培地中でさえ、形質転換頻度は50、400 mTでわずかに低下した;5 mTでの長期ばく露は、自発的およびX線誘発性のどちらの形質転換も有意に抑制した、と報告している。

研究目的(著者による)

本研究は、マウスの細胞の形質転換に対する超低周波磁界の影響をイン・ビトロで調査するために実施した。

詳細情報

TPAあり/なしの培地でエックス線照射(3Gy)及び/または超低周波磁界ばく露した培養細胞で、細胞の形質転換を調査した。
実験を3回反復した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 60 Hz
ばく露時間: 24 h
ばく露2: 60 Hz
ばく露時間: 6 weeks

ばく露1

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 24 h
Additional information experiments were performed: i) with only EMF exposure ii) with X-rays and EMF exposure iii) with EMF exposure plus TPA iv) with X-rays, EMF exposure and TPA
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • see Miyakoshi et. al. and Yaguchi et. al.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 400 mT maximum - - 5, 50, 400mT

ばく露2

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 6 weeks
Additional information experiments were performed with: i) only EMF exposure ii) only X-ray irradiation iii) X-ray irradiation and EMF exposure iv) neither x-rays nor EMF exposure
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 5 mT - - - -

Reference articles

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

ばく露した細胞超低周波磁界ばく露した細胞で、細胞の形質転換に有意差は認められなかった(TPAあり/なしの培地で)。
共ばく露細胞(エックス線+磁界)では、エックス線のみの場合と比較して、細胞の形質転換頻度の低下が認められた。TPAを含む培地では、エックス線のみでの細胞の形質転換頻度は、共ばく露細胞よりも上昇した。
5mTでの長期的なばく露は、自発的な及びエックス線に誘導された細胞の形質転換を有意に抑制した。
まとめると、超低周波磁界へのばく露細胞の形質転換誘導しないが、エックス線に誘導された形質転換抑制する。

研究の種別:

研究助成

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